はじめに
DRの出荷台数は3年間で3.3倍
DRの出荷は増加傾向にあります。一般社団法人「ドライブレコーダー協議会」によると、2019年度の国内出荷台数は、前年度比32%増の483.9万台。2016年度に145.7万台だったのが、3年間で3.3倍と大幅な伸びを記録しました。
出荷が好調な背景には、DRの認知度が向上したことに加え、高性能化などもあるとみられます。前方の映像だけでなく、後方の映像も記録できる前後カメラ搭載モデル、横からの幅寄せなどに対応した360度撮影可能なモデルなどが発売。さらに、撮影画像の高精細化も貢献しているとみられます。
動画記録画素数は200万画素が主流ですが、さらに高精細な370万画素以上のモデル、日没後の暗い環境にも対応した夜間撮影機能搭載モデルなども発売されました。今後もDRの高性能化は進むと予想され、初期モデルからの買い替え需要も期待できます。
改正道交法の施行でDRがさらに出荷増?
あおり運転罪を創設した改正道交法が施行されたことも、今後のDRの出荷増を後押しするでしょう。同法の施行前は、道交法の車間距離保持義務違反や刑法の暴行罪であおり運転を摘発してきました。しかし、行為の危険性に比べ、罰則が軽すぎるとの指摘がありました。
施行により、あおり運転は5年以下の懲役または100万円以下の罰金など、飲酒運転と同程度の厳しい罰則が科されます。違反した場合は直ちに免許取り消しとなるうえ、最長3年間は免許の再取得ができません。
さらに、あおり運転で相手を死傷させた場合は、刑が重い「危険運転致傷罪」を適用できる法改正も行われました。あおり運転の厳罰化を受け、事故に巻き込まれた時に自分を守るため、DRを搭載する人が増えるとみられます。
合わせて、DR搭載は運転者自身の安全意識の向上につながる可能性があります。DRが交通安全に貢献することが実証されれば、行政による費用面での助成も期待できるでしょう。