はじめに

「ユニクロ」のファストリは厳しい決算

小売企業を中心とした2月決算企業は一足早く決算発表を終えました。新型コロナウイルスによる自粛の影響をモロに受ける企業が多いとあって、かなり厳しい決算となりました。例えばユニクロを展開するファーストリテイリング(証券コード:9983)の3〜5月決算は売上高が前年同期比39%減の3,364億円で43億円の営業赤字(前年同期は747億円の黒字)となりました。

さらに今期の営業利益予想を1,450億円から1,300億円に下方修正しています。決算発表翌日に同社の株価は3%超下落し、その後も株価のパフォーマンスは良くありません。

また、イオン(8267)も3〜5月期が125億円の営業赤字であることを発表すると翌日株価は5%近くも下落しました。小売各社の決算を総括するとやはりかなり厳しい内容で、株価も冴えないものが多くでています。この状況を踏まえると4〜6月決算にもあまり高い期待は持たないほうが良さそうです。

イオン発表の2021年2月期第1四半期決算短信

コロナ禍でも経営力発揮の日本電産

ただ、すでにさすがと思える決算を発表し株価が大きく上昇している銘柄もあります。世界トップの総合モーターメーカーである日本電産(6594)の4〜6月期決算は売上高こそ前年同期比6.7%減となったものの、営業利益は小幅な増益で着地しました。減益になることを見込んでいたマーケットはびっくりし、決算発表翌日の7月22日に株価は5%近く上昇しました。

日本電産発表の2021年3月期第1四半期決算短信

創業オーナーで現在も最高経営責任者である永守重信氏は、カリスマ経営者として長年日本電産を大きく成長させてきた実績があり、マーケットからの信任も大変厚い方です。永守氏は決算説明会でコストコントロールについて語り、「外部環境が悪いときこそ他社からシェアを奪うチャンス」だとして今期の最高益更新に意欲を示しました。

日本電産のようにコロナ禍でも経営力を発揮し、業績を拡大する企業は存在します。今後そういった勝ち組企業と負け組企業の業績の差は拡大し、株価パフォーマンスも大きく異なってくる可能性が高いでしょう。ぜひ企業決算を分析し、そういった勝ち組企業を探して投資成果につなげていただければと思います。

<文:マーケット・アナリスト 益嶋裕>.