はじめに
仕事を早期にリタイアして、第2の人生は自分の好きなことだけをーー。誰もが一度は夢見るライフプランです。とはいえ人生100年時代、老後の生活資金の重要性はさらに増しています。
早期リタイアは叶わぬ夢のようにも感じられますが、実現している人もいます。家計簿アプリ「マネーフォワード ME」ユーザーのなおさん(60)は4年前に早期退職を実現させました。
「1年かけてしっかり準備しました」と話すなおさん。具体的にどのような準備を行ったのでしょうか。
準備期間は約1年
ーーなおさんは2016年に退職されたそうですが、いつ頃から退職にむけて準備されたんでしょうか?
なお:早期退職したいという思いは以前からあったんですが、具体的に動き始めたのは2015年の春です。
私は自動車メーカーのエンジニアとして働いていて、それまでタイに駐在していたんですが、日本に戻ることになったんです。仕事自体は楽しかったのですが、第2の人生をスタートするなら早いほうがいいと思っていました。
また、もし帰国後に新しい仕事に就くとしたら3年くらいは忙しくなってしまうので、このタイミングを逃しては駄目だと思いました。そこで2015年春に日本に戻ってきてから準備を始め、2016年の夏には退職届を出しました。
ーー具体的にはどういった準備を?
なお:まず、人生100年時代なので、99歳までの収支シミュレーションを作りました。
これを作るにあたり、自分が日々の生活で「何に」「いくら」使っているのかを詳細に把握する必要性に気づきました。また、削減できる支出は退職前から削減していこうと思ったのです。
それまでつけていた家計簿は、Excelに銀行の入出金の数字を記録をするくらいのものだけでした。クレジットカードの明細書も見てはいますが、Excelにいちいち細かくつけていられないんですよね。だから支出の総額は把握していても、何にどれだけ使ってるかはざっくりとしかわかっていなかったんです。それではどの支出を削るべきかがわかりにくいので、家計簿アプリの導入を考えました。
まずは現在収支の見える化
ーー家計簿・資産管理ツールは他にも色々あると思いますが、なぜマネーフォワード MEを選ばれたんですか?
なお:最初はアメリカの家計簿アプリを使ってみたんですけど、なんかしっくりこなかったんですね。そんなときに日経新聞で辻さん(株式会社マネーフォワード代表辻庸介氏)のインタビューを見まして。それで気になって使い始めました。きっかけは偶然です(笑)。
当時よく「セキュリティが心配」とか言われていましたが、求められるのはWeb明細を見るために使われるログイン情報だけなので問題ないだろうと。使うことによって得られる価値がリスクより大きいので使うべきだと思っています。