はじめに

大きな変革期にあるファミマ

実際にその効果は大きく、2020年5月時点でファミリーマート店舗におけるキャッシュレス比率は30%にまで上昇。前年同期比150%と急上昇しています。経済産業省によると、国内全体のキャッシュレス決済比率は約20%なので、ファミペイは高い効果を示しているようです。

同社は7月、親会社の伊藤忠が、TOB(株式公開買い付け)を行って完全子会社化することを発表し、大きな話題を呼びました。同社が4月に発表した2019年度通期決算によると、営業収益は5,170億6,000万円(前年同期比16.2%減)となる一方、事業利益645億4,700万円(25.2%増)と大幅増でした。

同社ではここ数年、不採算店舗の閉店を進め、本部社員の早期退職を募るなど、コスト削減と収益力の向上を進めています。ファミペイを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)改革もその一環と言えるでしょう。

しかしながら、7月に発表された2021年2月期第1四半期決算では、新型コロナウイルスの感染拡大により、営業収益は前年同期比15.9%減の1,117億6,300万円、事業利益は同54%減の89億8,300万円と大きな痛手を受けています。

DXの成功例となるか

2020年度の重点施策として、ファミペイアプリの1,000万ダウンロード、年間アプリ利用者数2,000万人を目指すことを掲げています。今後、デジタル広告、デジタル販促を増やし、ファミペイを使った小口ファイナンスなど金融事業へ乗り出すことも表明しています。

ファミペイはサービス基盤を自社で構築しているため、得られたビッグデータを元に、今後は様々な新規事業が展開されるものと思われます。国内に約1万6,000店の実店舗を持つ強味を最大限活用し、DXの成功例となるのかもしれません。

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