はじめに
利息の差をシミュレーションしてみると…
代表的なメリット・デメリットは以上のようなところでしょうか。頭金を準備するメリットは、借入金額を抑えることによる利息負担の軽減です。実際に、頭金を1500万準備することでどれくらい利息負担が変わるのかについてシミュレーションしてみましょう(前提条件:4500万の物件を購入。諸費用等は含む。住宅ローンはフラット35を利用)。
【パターン1】28歳頭金なし
借入額:4500万
金利:1.3%
借入期間:35年
毎月の返済額:133,416円/月
総返済額:56,035,132円
利息分:11,035,132円
【パターン2】35歳頭金1500万
借入額:3000万
金利:1.3%
借入期間:35年
毎月の返済額:88,944円/月
総返済額:37,356,755円
利息分:7,356,755円
単純に頭金を入れた場合とそうでない場合の支払い利息の差は、約370万円となります。
この金額を見ると、頭金を入れるメリットは大きいですね。
貯める間の住居費の考慮も忘れずに
一方で注意点もあります。
ご相談者の場合、これから頭金を貯め、目標は35歳とのことです。7年間あるので、その間賃貸に住むことを考えると、現在の家賃5万円/月×7年間で420万円ほどの住居費が掛かる計算となります。購入した場合も固定資産税やメンテナンス費用が掛かるので、一概には言えませんが、頭金を入れることによる利息軽減効果がほぼ無くなってしまいます。
金利が0.6%上がると頭金の効果は相殺される!
また、上記シミュレーションは7年後も金利が変わっていない前提でのシミュレーションです。仮に7年間の家賃を考慮せず比較した場合でも、もし7年後の金利が1.9%となっていると、下記のようになり、頭金を入れた効果は無くなってしまいます。
【パターン3】35歳頭金1500万、金利が0.6%上がった場合
借入額:3000万
金利:1.9%
借入期間:35年
毎月の返済額:97,846円/月
総返済額:41,095,387円
利息分:11,095,387円
物件価格の変動についても同様の事が言えるでしょう。
すなわち、住宅購入をする上で頭金を入れる効果は確かにあるものの、そのために「何年か貯めてから……」なんて言っていると、その間に世の中の金利や物件価格も変動するので、必ずしもメリットがある訳ではないということです。
結局、ベストタイミングとは…
大事なのは、冒頭に述べたように現段階での理想とするライフプランを描き、それに合わせた計画を立てること。住宅購入のベストタイミングは、希望するエリアと希望する家が自身の経済状況に見合った条件で見つかった時です。
ぜひ、専門家に相談をし、住宅以外の経済的な目標の金額や時期を考慮した上で、住宅購入の金額やタイミングを考え、理想の生活を実現していただきたいと思います。
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