はじめに

購入する物件は、自分の全体ポートフォリオを見ながら決める

――ポートフォリオを作り込むと。

株式会社アセットビルドの代表取締役 猪俣淳さん

そうですね。たとえば不動産投資では、リスクとリターンを横軸・縦軸で表した、4つの投資分類が語られます。基本的に、リスクが低ければ低いほど想定できるリターンも低く、リスクを引き上げれば得られるリターンは高くなりますよね。そこで、低リスク低リターンの投資法を「コア型投資」と呼び、そこからリスク・リターンが高くなるにつれて「コアプラス型投資」「バリューアッド投資」「オポチュニスティック型投資」と呼ばれます。

――不動産投資の4類型と呼ばれるものですね。

どれを好むかは人それぞれで構わないのですが、ありがちなのは自分が良いと思う型ばかりの投資をしようとするケースです。それで狙い通りの分類にいけば良いですが、不動産投資は自分の予測からズレるケースもある。コアプラスを狙ったがコアになった、バリューアッド狙ったがオポチュニスティックになったなど。

――想定していたリスク・リターンからズレるということですよね。

そこで重要なのは、1個の分類だけ狙って物件を購入するのではなく、いろいろな投資分類を行う中で、最終的にポートフォリオ全体の数字が自分の好む分類に収斂することです。1軒1軒すべて狙い通りの分類に当てはめるのは難しいので、ポートフォリオを作りながら、全体トータルでのバランスが狙い通りの分類になることなんですね。

――なるほど。

大切なのは自分の投資ポートフォリオ全体を合わせた時、どの分類にいるかを知ること。その上で、もっとコア型に寄せたければそういった物件を増やす。これがポートフォリオを作り込んでいくことですね。

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