はじめに

教育費・介護費用の概算を予測する

まずは教育資金からです。

支出の内訳から娘さんは公立中学校に通っているものと考えられます。大学を卒業するまで教育資金がいくら必要になるのか表にまとめてみました。実際の進学コースが公立か私立になるのかはわかりませんが、おおまかな金額はつかめると思います。

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仮に、高校から私立を選択し大学は一人暮らしで理系に進むとした場合、約1400万円が必要となります。

次にご両親の介護費用ですが、生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」によると、介護期間は平均54.5カ月(4年7カ月)、介護費用は、住宅改造や介護用ベッドの購入など一時金の平均が69万円、月々の平均が7.8万円となっています。
この結果から、一人にかかる介護費用の目安は約500万円と考えられます。

ただし、あくまでも平均値ですので、ご両親の資産状況と照らし合わせ在宅介護が厳しくなった場合の方向性を話し合っておけると安心です。

老後資金はゴールからの逆算で準備すること!

早期退職が可能か否か、相談者様が心配されている老後資金の試算から始めましょう。

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老後のお金:95歳まで30年間の収支はどうなる?

95歳までの30年間の収支をみていきます。

収入は、65歳から受給予定の公的年金110万円/年の30年分にあたる3,300万円です。支出は、2019年の「家計調査(総務省)」による高齢単身無職世帯の1カ月の支出から13万9739円(約14万円)と考えます。

この結果から30年間の支出合計は5,040万円となり、介護費用500万円を加えた5,540万円が老後の必要額と考えられます。年金だけでは2,240万円が足りないことになってしまいますので、65歳時点で同額の貯蓄額を残しておく必要があります。

早期退職後のお金:65歳までの収支はどうなる?

老後資金が確認できたところで、次は早期退職後から65歳までの収支を見ていきましょう。

退職時の資産総額は退職金を含め約8,000万円が見込めます。これに65歳までの遺族年金の総額1,950万円を加え、総収入を1億円とします。この期間には娘さんの教育費や両親の介護費用など大きな支出が想定されています。

まずは資産総額から老後資金の約2,300万円を差し引き、生活費等で使うことのないよう別管理します。次に、教育資金、両親の介護費用、負債の合計3,100万円を同じく差し引きます。資産の残金は2,600万円となり、遺族年金と合わせて生活費として使える金額は約4,600万円となりました。

老後資金をキープした上で、教育費、介護費を準備すると生活費として使えるお金は1年あたり230万円、1か月およそ19万円となるわけです。

この結果から早期退職することは問題ないように思われます。勤労収入が必要かどうかは現状収支をもう少し見て決めていきましょう。