はじめに

100年前もいまも、対策は同じ

明治に入っても散発的に流行を起こしてきたコレラですが、少しずつ対策もわかってきます。1877年(明治10年)には当時の内務省が「虎列刺(コレラ)病予防法心得」を発布。そこには、「コレラ流行地から来る船舶を厳しく検疫する」「港のそばに隔離病院を設置し、船から患者が出たら収容する」「市街で流行したら人の動きを止める」といったことが記されています。水際検疫の強化、患者の隔離、ロックダウンと、現在と同じ対策を行っていることがわかります。

ベンガル地方は人口が多く「密」な都市ばかりで感染症が蔓延しやすい。写真はバングラデシュの首都ダッカ

1884年にはドイツの医師であり細菌学者ロベルト・コッホがコレラ菌を発見。疫学が進歩したこともあり、コレラは次第に脅威ではなくなっていきました。

現在ではコレラに対抗するワクチンや抗菌剤などがあり、長期旅行者や駐在員の中には利用する人もいます。上下水道の整っていないような場所ではまだまだ注意が必要な病気ですが、少なくとも世界的なパンデミックを起こす病気ではなくなりました。

人類はやがてコレラと同様、コロナウイルスも克服するでしょう。