はじめに

大きく変わる環境政策で、恩恵を受ける企業は

バイデン氏へ政権が交代した場合、最も大きく変わるのが環境政策です。2015年12月に国際的に採択された温暖化対策「パリ協定」を巡り、トランプ大統領は脱退を決定(正式離脱日は選挙翌日の11月4日)。これに対してオバマ政権の政策を引き継ぐバイデン氏は、「パリ協定」への再参画と、前述した4年で2兆ドルにのぼる環境投資を表明しました。

トランプ政権は、地球温暖化対策は米国企業、特に石油などのエネルギー関連企業の競争力の低下を招くと主張。トランプ政権による法人税の引き下げ(35%→21%)に逆行するバイデン氏の法人税率の引き上げ(21%→28%)は、大企業にとって利益の抑制要因になると非難しています。

しかし、バイデン氏は環境投資や米国製品の購入政策は米国の競争力を強化し、1,000万人規模の雇用創出に繋がることを強調して反論しています。実際、省エネや新エネへの移行は大きなビジネスチャンスです。

例えば、テスラは次世代パワー半導体採用による省エネ性能の飛躍的な向上に、9月のバッテリーディにおける低コスト・長寿命の新しいバッテリーの発表への期待が加わり、バイデン政権誕生観測から株価は大きく上昇しています。世界の電動車市場は19年から25年にかけて年率平均+35%で成長する見通しです。

世界最大の風力・太陽光発電事業者ネクステラ・エナジーへの注目も大きいです。米IT企業のデータセンター建設ラッシュによる電力需要が増加する中、環境意識の高い大手企業を中心に二酸化炭素の排出量を削減する動きが加速していることが追い風です。

フェイスブックなど巨大IT企業は、使用する電力全てを再生可能エネルギーで賄うプロジェクト「RE100」に署名しています。