はじめに

ケース2:弟が相続人となる鈴木夫妻の場合

鈴木マサトさん(仮名 60歳)は奥様のさとみさん(仮名 50歳)を病気で亡くしました。
さとみさんのご両親は他界しており、弟が一人います。こちらも子どもがいない夫婦です。

マサトさんは相続手続きをする際に、マサトさんと、さとみさんの弟が相続人になることを知っていました。さとみさんは、自分が病気だとわかった時点で、全財産をマサトさんへ相続させる遺言書を公正証書で作成していました。マサトさんも遺言書の存在を知っており、遺言書を持って手続きにいきました。

遺留分の問題ですが、兄弟姉妹が相続人になるケースは、遺留分は存在しません。遺言書に誰に何を引き継ぎたいのかを書きさえすれば、相続人から財産を請求されることはないのです。

さとみさんは残り少ない命と戦いながら、マサトさんのことを想い専門家に相談しながら進めた結果、思うとおりに財産を引き継ぐことが出来たのです。

遺言書が必要になるのは、争う恐れがある場合だけではない

2つのケースを見比べていただき、遺言書は争う恐れのある人だけが書くものではなく、認知症や手続きの煩雑さを避けるためにも必要なものです。

みなさん、元気で動ける今のうちから、相続人の調査と財産の把握、相続対策を専門家とともに進めていくことをお勧めします。

<行政書士・相続診断士・終活カウンセラー:藤井利江子>

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