はじめに

株式教室を開いていると、さまざまな人が生徒としてやってきます。もちろん、これから投資を始めようという初心者の方も多いのですが、投資経験の方も案外いらっしゃいます。

そしておわかりの通り、すでに取引をはじめているにもかかわらず「株式教室」にやってくるということは、株に手を出してはみたけれど「うまく利益が出ない」「損ばかりしている」という人が多くを占めるのです。


株を買う=投資ではない

もちろん、投資がうまくいっている方はわざわざ他人に相談する必要がなく、教室に行こうとは思わないので、これは当然のことです。

では、うまく利益が出せないのはどうしてなのでしょうか?

例えば、「とりあえず株を買う」ことはできても、「投資する」ということの本当の意味を理解できていない方もいらっしゃいます。友人の話を聞くままに投資をはじめ、「なぜかうまくいかない……」というケースも多いです。

なかでも目立つのは「デイトレード」と言われる、一日のうちに何度も売り買いを行う超短期の投資法で失敗したという方々です。

「デイトレーダーが大きく稼いでいる」と雑誌などのメディアで、もてはやされているのを目にし、「私も!」と意気込んで挑戦するのでしょうが、往々にしてうまくいかず損失を重ねる方がほとんどです。

安易な仕掛けはご法度

デイトレード自体が悪いわけではありません。しかし、この手法でしっかりと利益を出している人はごく一部にすぎません。夢がないと思うかもしれませんが、野球少年の多くがプロ野球の選手になれないように、株式投資家の多くはデイトレードで生活することはできないのです。

しかし、勢いに乗ればすぐに稼げる、という勘違いに陥ってしまう方があまりにも多いのが実情です。

例えば、ここでは任天堂(7974)の株を例にお話しましょう。

任天堂の株式が調子よく、毎日出来高もできて、さらに上昇しそうだというとき、デイトレードで利益を出そうとする人がいます。ただ、勢いだけで買うわけですので、少し上がれば売り、少し下がれば買いというように何度も売り買いをしても、結局は利益が出ないとなる人が多いです。

チャートを見るとわかるのですが、業績が好調に転じている株式であれば、安いところで買って持っていれば、しっかりと上昇してくるものです。

それを毎日、毎日、何度も売り買いしても、一時的な利益が出ることはあるかもしれませんが、損することも多く、結局は狙ったようにはうまくいかなかったということになりかねません。

そして、その失敗の本当の原因は“ある会社の株だから”ということでも、“デイトレードだから”ということでもありません。

やみくもに「これは上がると思う」「勢いに乗れば200円や300円はすぐに取れるだろう」などと、安易に買いついてしまったことです。

そしてこのように考える方は、「今度こそ!」と同じような取引を何度も何度も繰り返し、最終的な損失を大きくしてしまう。こうして資金が底をつき、「もう株なんてやるもんか!」と吐き捨てて、株式市場から離れていく方も多く見てきました。

あるいは、大きな損失を抱えたまま、売るに売れずに高いところで買ったまま保有を続けてしまうというケースもあります。

しっかりと「買い場」を考えて投資を始める、これがなによりも大切なのです。