はじめに
なぜ今、リアル店舗出店なのか
それではECでの販売が順調なのに、なぜテナント料や人件費がかかる実店舗を出したのでしょうか。関谷代表は、「ブランド名を知らず、一度も見たことがないという服をネットで買う価格は5000円が限界と考えています」と説明します。
上下で約30000円のスーツを販売する同社は、このハードルを下げるために「30日以内であれば何度着ても返品OK」にしています。それでもユーザーからは「実際に店頭で生地を手に取って、質感や色を見比べたい」という要望が想像以上に多く、出店を決めたといいます。
職場で着る服のカジュアル化が進み、メンズスーツ市場は伸び悩んでいます。さらにコロナ禍で在宅勤務が増えた今の時代、そもそもスーツの需要はあるのでしょうか。
関谷代表は「機能性があるスーツは一定の需要があります。テレワークでもジャケット着用を求める企業は少なくありません」と言い切ります。同社は2023年までに首都圏や政令市などに15店を出店する計画です。
秋冬に向けてアウターも投入した
シップスとコラボでファン広げる
また、9月からはセレクトショップ大手のシップス(SHIPS)ともコラボ。機能だけではなくデザインにもこだわった、レディースのノーカラージャケットとパンツ、スカートの3型を東京や大阪などのシップス店舗で販売、新たな客層をつかむ狙いです。
一般のアパレルメーカーとは異なる角度から生まれたスーツ作業着。実店舗とECの両輪で、幅広い世代に支持されるウエアを目指します。
<文:国分瑠衣子>