はじめに
「とろろ」パワーを引き出した個性派3メニュー
店内はモダンで清潔、落ち着いた雰囲気で、慌てて食べて出る立ち食いそばとは確実に違います。感染防止策のアクリル板で仕切られた席に座ると、女性店員さんがオーダーを取りに来てくれます。注文したそばは、店員さんが自分の席まで運んでくれ、食後も片付けてくれるフルサービス式です。
さて、数多くのとろろを使ったそば(うどん含む)のメニューのうち、注文したのは特に「とろろ感」を全面にした「冷ぶっかけ肉とろろそば」、「冷ぶっかけ納豆とろろそば」、「カレーとろろそば」。3食も食うんかい! と思われるかもしれませんが、今回は調査もかねてなので、気になるメニューを全部食べてみるという寸法です。
まず、最初に来たのは「肉とろろそば」(790円+税)。とろろと肉、さらにネギと卵、そしてそば……正直味の想像ができません。まず、細めのそばをすすると、コシがありながらもそば度が薄く、ツルツルいけちゃう感じです。また、本醸造こいくち醤油を使用したそばつゆはキレのある感じでありながら、塩分の尖りはなく程よい味わい。実に繊細な味です。
次にお肉ですが、甘い煮豚が何枚も乗っています。正直これだけでは、前述のお出汁やそばとのバランスは合わない感じもするのですが、そこにねぎ、卵、そして肝心のとろろが合わさることで、想像し得なかったハーモニーを生み出してくれます。
「そばのオーケストラや」と、口に出すのが恥ずかしいワードがつい頭に浮かんでしまうくらい、絶妙なバランスで生み出された味でした。