はじめに
やらねばならない手続きはたくさん
人が一人亡くなると、役所などの間でさまざまな手続きをしなければなりません。
まず区役所などに死亡届を出し、死体埋葬火葬許可証を取る必要があります。といっても、これは互助会が代行してくれたので、私自身は何もせずに済みました。ちなみに死亡届と死体埋葬火葬許可証は、葬儀の前までに取っておかないと火葬が出来ないので、速やかに手続きを取る必要があります。
葬儀の後もさまざまな手続きが生じます。
年金事務所に連絡をし、父親が亡くなったことを告げて、父の厚生年金の受給停止と共に、母親が遺族年金を受け取れるように手続きを取る必要があります。そして役所に行き、父親の健康保険証、介護保険証を返却します。
加えて実家の電気、ガス、NHK、電話、新聞の引き落とし口座を、父の銀行口座から母の銀行口座に切り替える手続きも必要です。
とまあ、ここまでやって一旦、落ち着く感じですが、私の場合、大きな落とし穴がありました。
今回のコロナ騒動で今年2月から特別養護老人ホームが家族との面会がシャットアウトされ、誤嚥で入院した病院も面会不可。さらに転院した終末期医療の病院も面会できずということになり、父に実印や銀行印などのある場所を聞くことができなかったのです。
もちろん、母が知っていると思っていたのですが、お金の管理はどうやらすべて父がやっていたらしく、母は自分の銀行印がどれかも分からないという状態でした。辛うじて母名義の銀行口座のキャッシュカードはあったものの、暗証番号が分からない。マイナンバー通知書も出てこない。家の権利書、父の遺言書は見つかったものの、未だに実印と銀行印、マイナンバー通知書は見つかっていません。
そのうえ、葬儀の後に母が入院したため、本人が窓口に行けば簡単に済む手続きをすべて私が代行することになりましたが、両親が高齢の場合、私のように母が入院するというイレギュラーに直面しなくても、子供が諸々の手続きを代行しなければならないケースが生じます。特に両親が地方に住まわれていて、その地元に兄弟がいない場合、自分が住んでいるところと実家との行き来もあるので、なるべく短時間で、効率的に手続きを済ませられるような工夫が必要になります。