はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。

50代の母親と10代の子供2人の世帯です。「ジュニアNISA」という言葉を最近よく耳にします。現在、子供の口座としては、ゆうちょ銀行とあともうひとつだけ持たせています。今まで証券会社に子供の口座を持つという発想はありませんでしたが、口座を作って投資をするというのはどうなのでしょうか? ジュニアNISAの利点について、教えていただけるとうれしいです。


【現在の家計状況】
父親は亡くなり母子家庭です。父親の生命保険で15年間は年300万円ほどの収入があり、私の収入も安定しています(年収1,000万円ほど)。子供は高校生と浪人生で、今後はある程度の教育費が必要となる予測です。住宅ローンがあと1,000万円、支払いが10年間あります。生命保険(積立変額)と医療保険を契約しています。
(50代前半 死別・子供2人 女性)


深野: ジュニアNISAに関するご質問ありがとうございます。早速、回答に移らせていただきます。

ジュニアNISAとは?

ジュニアNISAは2016年1月に申し込みが始まり、同年4月から投資ができるようになった制度です。

満19歳以下の未成年者が口座を開設することができ、年80万円、5年間で最大400万円まで非課税で投資することができます。

この投資金額から発生する利益は、どんなに収益を上げても非課税だということが大きなメリットです。

投資することができる商品は、株式、株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)など。

ジュニアNISA口座を開設できるのは、証券会社や銀行ですが、1度、口座を開設してしまうと、ほかの金融機関に変更することはできません。

また投資した株式などを売却をすること自体はいつでも可能ですが、18歳になるまでは非課税で払い出すことはできません。

仮に18歳未満で払い出してしまうと、過去の利益を含めて、すべてが課税扱いになり、口座は解約することになってしまいます。

贈与税110万円の非課税枠には注意

ジュニアNISAの大まかな仕組みは前記の通りですが、一番のメリットとしてはやはり利益が非課税になることです。

口座の名義は子供や孫になりますが、実質的な口座を管理した運用は親権者が行うことになります。

子供や孫が投資資金を拠出することはないでしょうから、必然的に投資資金は親や祖父母からの贈与ということになるでしょう。通常の贈与は、年間110万円の非課税枠を超えると課税対象となります。

ジュニアNISAの年間投資枠が80万円ですので、ジュニアNISAのみであれば非課税枠の範囲内です。

ジュニアNISAの制度の裏側には、贈与がスムーズに行われるようになり、個人の資金を株式市場に入れて経済を活性化させるという国の思惑があるようです。

金銭教育としての活用法も

ご質問者の方の場合、お子さんは高校生と浪人生ということですので、単なる節税のみならず、ジュニアNISA口座を開設し、投資先を子供に選ばせたり、親子で考えたりする投資の勉強として資産運用を体験させるという活用法も考えられます。

なお、質問者の方の場合は子供がすでに18歳、あるいは数年で18歳になるようですが、満20歳になれば通常のNISA口座を開設して、移管させることも可能になります。

将来、お子さんが社会に出た頃にも、通常の預金金利はあまり上昇しないでしょうから、豊かな生活を送っていくためには投資を行って、お金でお金を生むことが必要だと思われます。

しかし、残念ながら、学校では投資を学ぶ機会はおろか、金銭教育すらほとんど行われていません。

お金についての知識を教える金銭教育は今後、必須と思われますので、子供の金銭教育という側面でもジュニアNISAを活用してみてはいかがでしょうか。

金融資産額の記載はいただいていませんが、年収等から勘案すると教育費の準備もほぼ先が見えていると思われますので、どうぞ、ご検討ください。