はじめに
鉄道駅で見た“マスク警察”
ただ、相手への伝え方によって、口論になることは多々あります。前もこんな光景に出くわしました。
パリ市内中心部レ・アール駅。市内と郊外をつなぐ路線がいくつも乗り入れる、パリ市内でも乗降者の多い駅です。駅のホームで、中年の男性が「マスクしろよ」とマスクをせずホームを歩いていた若い女性に注意しました。
マスクを持ってくるのを忘れてしまったと思われる女性は、バツが悪そうな顔をしつつ男性を無視して歩きますが、男性は執拗に女性をとがめます。ついに女性が反論すると、男性は「コロナに感染するから、お前とは話したくない」と、あからさまに嫌な顔をし、女性と距離を取るジェスチャーをしました。
マスク着用をめぐる殺人事件も
コロナ禍になってから、フランスではマスクを巡って殺人に発展する事件も起きました。
今年7月フランス南西部バイヨンヌで、バスの運転手がマスクを着用していない22歳と23歳の男の乗車を拒否したため、男たちはその運転手を暴行。その後、運転手は病院で脳死となり、その後息を引き取ったのです。男2人は殺人罪で訴追。フランスの各メディアで大きく報道されました。