はじめに

新型コロナウイルスの影響で観光客がいなくなり、フランスのラグジュアリー業界は大きな打撃を受けています。

ルイ・ヴィトンなど高級ファッションブランドを傘下に収める世界最大のラグジュアリーグループLVMHは、2020年上半期の業績をグループ全体で84%減と公表しました。10月4日に永眠した日本人デザイナー高田賢三氏のブランドKENZOも同グループの傘下に入っています。

世界的規模で人々が外出を控え、イベントやセレモニーなどの機会が見送られている今、外出の場面にこそ必要だった高級ファッションブランドはもはや不要なのでしょうか。


2023年に新工場を操業させるエルメス

コロナ禍、以降パリ市内の高級ブティック街は閑散とし、高級ファッション業界の苦戦ぶりは明らかです。ところが、このまま衰退していくのかというと、そう言い切ることはできないようです。

仏フィガロ紙は9月16日の記事で、皮革ブランド「エルメス」が2023年をめどに、新たな製造工場をフランス中部オーヴェルニュ地方に建設すると報道しました。

エルメスによると、総勢500名の雇用を見込んだこの計画は、オーヴェルニュ地方におけるこの年最大の起業計画になります。重工業ではなく、皮革ブランドがこれだけの大事業を計画中ということは、同社がラグジュアリー業界の将来を確信しているからこそでしょう。

また、LVMHはベルナール・アルノーCEOが、2020年7月に自社サイトに公開した文書で、今後より一層のオンラインショップの強化を宣言しました。同氏によると、これは2020年4〜6月の売り上げに現れた、中国市場の大きな回復を受けての決断です。日本でも楽天がKENZOほかハイブランドに特化したサイトを10月6日に開設しています。