はじめに

食品ロス削減推進法

19 年10 月には、家庭からの食品ロスも対象に入れた「食品ロス削減推進法」が施行されました。食品ロスの約半分は家庭から出るため、消費者による買い過ぎや作り過ぎ、過度な健康・鮮度志向などの改善が望まれます。

当局は10月を「食品ロス削減月間」、10月30日を「食品ロス削減の日」に設定し、多様な主体が連携する国民運動に位置付けました。

これを受け、セブン&アイグループは10月、食材をまるごと使い切る「エコレシピ」の配布や調理実演などお客様と共に“もったいない”の削減に取り組んでいます。同社は2050年までに食品廃棄物の75%削減、食品リサイクル率100%を目指しています。

食品ロス対策で、利益確保へ

食品小売店による対策としては、流通時点での在庫管理の効率化が有効でしょう。スマートフォンアプリを使って小売店と消費者をマッチングするサービスも出始めています。

例えば、ファミリーマートは、19年から季節商品(うなぎ、クリスマスケーキ、おせち、恵方巻など)の完全予約制を導入。20年の「土用の丑の日」には、店舗独自で考えた売場演出など地域密着の取り組みを行い、新たにアプリ「ファミペイ」でウェブ予約を開始しました。

その結果、予約制開始前の2018年と比べて、販売金額は変わらないものの、廃棄金額は約80%減少し、加盟店利益は約240%増加しました。

食品の保存期間を延ばす試みとしては、肉や魚を特殊なシートで包んで長期保存する技術の活用が期待されます。イオングループ傘下のダイエーは19年11月、新しい包装「真空スキンパック」を導入。牛肉の場合は従来包装に比べ消費期限を約10日間延ばすことができます。先行導入した店舗では、食品ロス比率が4.3%から1.9%に低下しました。

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