はじめに

コロナ禍で「フードバンク」が活躍

流通できないものの品質には問題のない食料品を企業が寄付し、生活困窮世帯などに配る「フードバンク」の活用も広がっています。

ローソンは19年8月、物流センターで廃棄してきた「店舗への納品期限を迎えてしまった商品(賞味期限内)」等の余剰食品を、全国フードバンク推進協議会を経て支援が必要な家庭や子ども食堂、施設などに寄贈し始めました。同社は2030年に食品ロスの18年比50%削減を目指しており、19年度の食品リサイクル等の実施率は50.2%、食品の寄贈数は合計15万5,000個に上ります。

西友も2009年から同様の食品寄付に取り組んでいます。今春のコロナ禍では、休校に伴う給食の停止などで、日常の食事すらとれない人・世帯が増加しました。同社は4月から6週間、白米14トン、卵6,000ケースなどの食料を延べ3,000世帯に寄付しました。すでに施設への配送システムが構築されていたため、支援が必要な時期に素早く届けることができました。

食料資源を有効活用する食品ロス対策は、2030年のSDGs達成に向けた意欲的な試みであると共に、ESG投資の「E(環境)」を意識した取り組みとしても注目されるでしょう。

<文:チーフESGストラテジスト 山田 雪乃>

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