はじめに
唾液を増やすには
「歯周病にならないことや舌のケアをすることが、新型コロナやインフルエンザなどの感染症対策の上で重要であることは間違いない」と槻木氏は警鐘を鳴らしていました。
唾液の分泌を増やすためには、発酵食品や水分の摂取が大切です。それらに加え、毎日の歯磨きと舌磨きで唾液の質と量が強化され、感染症に罹りにくい状態を目指すことができるのだといいます。
加齢、喫煙、口腔内の健康とコロナには共通点が多い
厚生労働省の「平成28年度歯科疾患実態調査」によると、成人の7割が歯周病であると言われています。特に一気に症状が進行するのが35歳以降。シンポジウムでは、コロナと歯周病はともに、加齢が重要なリスクファクターであることと指摘されました。
喫煙習慣でも唾液量が自然と減り、口腔細菌が増えるそうです。そもそも、喫煙者は新型コロナウイルスにかかりやすく、また重症化しやすいというデータがあることも指摘されました。これは口腔内の防御機能の低下や喫煙による肺のダメージ、慢性の炎症を引き起こすといったさまざまな理由が考えられるそうです。
新型コロナ感染対策の3つのポイント
新型コロナウイルスについては、まだまだ解明されていないことが数多くあります。治療法も限られている中で、口腔ケアとの関連性についても今後の研究成果が待ち遠しいところです。一方で、新型コロナウイルスと関連があるとわかっている歯周病はセルフチェックができ、効果的に予防ができる病気です。
・歯ぐきに赤く腫れた部分がある
・口臭がなんとなく気になる
・歯ぐきがやせてきたみたい
・歯と歯の間にものがつまりやすい
・歯を磨いた後、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じったりすることがある
・歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角な三角形ではなく、うっ血していてブヨブヨしている
・ときどき、歯が浮いたような感じがする
・指でさわってみて、少しグラつく歯がある
・歯ぐきから膿うみが出たことがある
当てはまる項目が1~2つ以上の場合は歯周病の可能性があり、3つ以上の場合は歯周病が進行している恐れがあります。
日本歯科医師会は、新型コロナの感染や重症化を防ぐため、マスクや手洗いなど基本的な感染症対策を行う、唾液の免疫力による細菌やウイルス防御を高める、そして感染症と密接な関係がある歯周病にならない、という3つのポイントを進言しています。
「最近、歯医者に行っていない」「歯周病になりかけているかも」という方は、早めに歯科医院を受診することが良さそうです。歯周病のセルフチェックは1つでも当てはまったら、歯周病の可能性がありますよ。