はじめに

上昇傾向だった2020年上半期、原因は?

なお、価格水準が同じでも、面積が同じとは限りません。長谷工総合研究所から公表されている新築マンションの平均総額、平均面積、平均単価の推移を2019年1-12月と2020年上半期で比較してみましょう。

まず、図表5の平均総額は23区については+12%、埼玉県は+9%に価格が上昇しました。今回神奈川県については▲6%の下落であったものの、全体的には上昇傾向です。

次に、図表6の平均面積は徐々に小さくなっています。23区は▲5%、都下は▲11%、神奈川は▲4%の面積が減少しました。

そして、図表7の平均単価は大きく上昇しています。23区は+18%、埼玉は+14%、神奈川は+7%も価格が高くなりました(図表7)。

総額を引き上げ、面積を小さくして、単価を引き上げる傾向があるといえるでしょう。

5_新築マンションの平均総額
6_新築マンションの平均面積
7_新築マンションの平均単価

なぜこんなことが起こるのか、大きな原因として数量調整による価格決定権が新築マンション供給業者にあることが挙げられます。

現在は主な新築マンションの供給業者が10社に満たない大手不動産会社に限られており、ここまで述べたように、数量調整が価格維持に効果を発揮しています。また、売り主の認識としてマンションを「一定期間のうちに多数売り切る」よりも、「何年かけても少ない戸数でも高い値段で売ったほうがよい」、という考え方が主流であり、供給業者の資金も潤沢なため、値下げしてまでの売却は起こりにくくなっています。

従って、現在の新築マンションの購入価格は簡単には下がりそうにありません。あなた以外の購入希望者があらわれるのであれば、供給業者は待てばよく、残念ながらあなたの値段交渉に応じることもないでしょう。今、新築マンションを買いたい人は、新築は高いものと割り切って買う必要があると思います。

ただし、もし数年待てるのであれば、購入価格が変動する可能性はあるかもしれません。マンションを含めた住宅は、購入後に簡単に売却できるものではありません。将来の支出計画と合わせて、いつ購入すべきか慎重に判断していく必要があるでしょう。