はじめに

老後の生活費はいくらかかる?

次におひとりさまの老後の生活費を確認しましょう。総務省「家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)」 の高齢単身無職世帯の家計収支によると、平均支出は月15万6,404円となります。

気になるその内訳を見てみましょう。

<高齢単身無職世帯の家計支出の平均(月額)>

食料3万6,200円
住居1万2,402円
光熱・水道1万2,643円
家具・家事用品5,512円
被服及び履物4,217円
保健医療7,967円
交通・通信1万2,480円
教育・教養娯楽1万7,401円
その他の消費支出3万5,137円
非消費支出(税・社会保険料)1万2,445円
合計15万6,404円

ここで注目したいのは、住居費です。

老後の住まいは、持家(戸建て・マンション)、賃貸、特別養老老人ホームなどの施設に入る等、さまざまありますが、どれを選ぶかによって平均以上にかかる場合があります。

例えば、老後の住まいが月6万円の賃貸の場合は、そのほかが平均的だったとしても約20万円の支出になります。

また今後、消費税が10%にアップする予定ですので、老後の生活費は余裕を持って計算しましょう。

老後のお金はいくら足りない?

老後の収入と支出を比べた場合、多くのおひとりさまは年金だけでは生活できないことが多いです。

先ほど確認した高齢単身無職世帯の家計支出の平均(月額)15万6,404円の場合、自営業のAさんと正社員のBさんはそれぞれの年金でどれくらい足りないのでしょうか? 具体的に計算した結果が下記になります。

<平均支出の場合 足りない金額>

自営業のAさん
年金:月約9万4,000円
足りない金額:月約6.2万円
(65歳~90歳 約1,860万円)


正社員のBさん
年金:月約14万3,000円
足りない金額:月約1.3万円
(65歳~90歳 約390万円)

Aさんは年金受給額が少ないため、足りない分として老後資金を約1,860万円備えないといけません。一方、Bさんの不足分は約390万円の概算になります。

2人の差は約1,500万円。年金受給額によって備えるお金が大きく変わっていくことがわかります。

今回のAさんとBさんはあくまでモデルケースですが、平均を目安にして自分の場合はどうなのかを計算したうえで、余裕をもって老後資金を準備できるようにしましょう。

足りない分を補うための対策

ここまで見てきたように、老後生活に足りない額は、年金受給額や住まいによって違いますが、足りない分を補うための対策は早めに実践した方がラクに資金を確保できます。代表的な対策をご紹介します。

・個人型確定拠出年金に加入する
・民間の保険に加入する
・資産運用する

2017年から加入対象者が増えた「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は40代おひとりさまの強い味方です。

未婚女性の場合、仕事での収入がある方が多く、老後資金対策だけでなく節税にもなる制度だからです。

また、今は銀行に預けていても利子がほとんどつきません。少しでも利率のいい金融商品に預けることで老後資金を増やすこともできます。

老後のお金の不安はあるものの、「怖くてなかなか向き合うことができない」というのが40代おひとりさま女性からよく聞かれる声。

とはいえ、不安だけを抱えていてもなにも準備ができません。3ステップを順番に実践すると、不安が具体的な目標になり、老後に備えるために前向きに踏み出すことができます。老後まではまだまだ時間があります。時間を味方につけて、今から備えておきましょう。

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