はじめに
あくまでも滑らか、そして静か
今回はFSW(富士スピードウェイ)のショートサーキットで試乗する機会に恵まれました。但しあくまでも最終仕様ではなく、プロトタイプであること(ゆえにナンバー無し)。また細かなスペックも公開されていません。
富士スピードウェイのショートサーキットでその実力を試してきました
開発陣にリモートで話を聞いたところによれば、前述したようにアウトランダーPHEVと同じですが、車両重量がこちらの方が軽く、さらに制御も最適化しているとのこと。
車両はほぼ満充電状態だったので最初はEVモードでコースインしてみましたが、その印象は「滑らか」そのものです。もちろんエンジン音がしないので当たり前なのですが、軽くアクセルペダルを踏み込むだけでスルスル~っと加速していきます。
もちろんグッとアクセルを踏み込めば4つのモーターがクルマを一気に押し出します。開発陣の話によれば、出だしの瞬発力は世界でも高い評価を得たランエボこと「ランサーエボリューション」並みとのことです。
あいにくの雨天気でしたが、濡れた路面でもクルマは安定しており、誰もが安全に走れる懐の深さも感じました。
一応、筆者も自動車ライターのはしくれなので、少し専門的な意見を言えば、これだけハイレベルなシステムを搭載しているのですが、タイヤがエコ仕様のため、もう少しグリップ感が欲しい、という点も補足しておきます。
走りながら充電できます
冒頭に書いたように電動化の勢いに合わせて日本にも純粋なピュアEV(BEV)も増えてきました。しかしここで大きな問題となるのが、充電インフラの数と時間の問題です。
ピュアEVの場合、約80%を約30分で充電できる「急速充電」と200Vを基本とする「普通充電」の2種類に対応しますが、最近高速道路のSAなどに設置されている急速充電スペースでは時間帯にもよりますが「渋滞」が発生しているケースもあります。
そこで充電できなければ走行途中でガス欠ならぬ「電欠」を起こす可能性があります。
つまり充電しようと立ち寄ったのに先客がいた場合は当然待たなければならないことに意外とストレスが溜まることもあります。
それではエクリプスクロスの場合はどうなのか?急速/普通充電にも対応し、EVとしても使える同車ですが、前述した開発陣の話によればアウトランダーPHEVとほぼ同等の距離である57.3kmも走ることができます。
そして何よりもこのクルマは走りながら充電することができる点が大きなポイントです。
「バッテリーチャージモード」と呼ばれるものを使うとエンジンを充電のために積極的に回すことができます。当然ガソリン消費量は増えますが、使用環境においてEV走行が必要な場合、もし電池容量が不足していてもこれを使うことで、充電設備に立ち寄る必要もありません。つまり充電のためのストレスをひとつ解消してくれるわけです。これがPHEVの大きな魅力と言えます。