はじめに
実はハワイ原産ではない!マカダミアとは
――「マカダミア」と聞くと、よくハワイ土産でもらうマカダミアナッツのチョコレートの印象が強くて、「あれがミルクになるのか!?」というのが率直な感想でした。
荻生: 確かに、ハワイ土産のマカダミアナッツの印象が強いため、原産地はハワイだと思っていらっしゃる方が多いようですが、実はオーストラリアが原産地です。ハワイは台風が結構通りますので、防風林の木が必要で、そのためにオーストラリアからマカダミアの木が移植されたという話を聞いています。
実は我々もハワイが原産地だと思っており、オーストラリアのファーマーさんとお会いした際にお話したところ、とても怒られました。同時にオーストラリアのファーマーさんはマカダミアナッツに対して相当なこだわり、誇りをもたれているのだと思いました。
オーストラリアのマカダミア農家の様子。マカダミアの歴史は6千年以上とも言われています
©Australian Macadamia Society.
どうやって生産されるのか
――そのマカダミアをどのようにして抽出し、ミルクに転じるのでしょうか。
荻生: 成熟して自然落下したマカダミアナッツを収穫後、ハスク(一番外側の皮)を剥きます。硬い殻を割り、丁寧にローストした後、優しくすりつぶしてなめらかなペースト状にします。
このペーストを作る際、マカダミアナッツ本来のおいしさが引き立つように、クリーミーな味わいに仕上げるのに苦労しました。仕上がったペーストを他の原材料とブレンドし出来上がります。
「世界一硬い殻を持つ木の実」と言われるマカダミアナッツですが、それは同時に外からの影響を受けにくく、美味しさと栄養をギュッと蓄えている証でもあります。ビタミン、ミネラル、植物繊維、不飽和脂肪酸などが含まれており、特に赤ちゃんの肌に多く含まれているパルミトレイン酸を多く含有していると言われています。