はじめに

「認知的不協和音」で、やる気を出す

ToDo2 宣言する

会社などで大声を出せない場合は、小さい声でいいので、「今から仕事をはじめるぞ」と声に出して宣言してください。この「宣言」が、ものすごい効果をもたらします。

これは、心理学の「認知的不協和」を応用したテクニックです。「認知的不協和」とは、アメリカの心理学者のフェスティンガーにより提唱された概念で、矛盾する 2つの認知が存在する場合、そこに違和感やストレスを感じ、認知の矛盾を解消しようとしたくなる心理のことです。

「今から仕事をはじめる」と言った自分と「まだ仕事をはじめていない自分」は、矛盾しています。「言ったことを取り消す」か「仕事をスタートする」かしない限り、矛盾は解消しません。「言ったことを取り消す」のは難しいので、仕事をスタートせざるを得なくなるのです。紙に書いてあることを現実にしようとする行動をとってしまうのです。

トイレでよく見かける「トイレをきれいに使っていただきありがとうございます」という張り紙も、認知的不協和を根拠としています。

宣言は何度しても OK です。もしくは、紙などに大きく「今から仕事をはじめる」と書いて机の前に貼るのも効果的です。書いた内容を声に出して読めば、脳は「そろそろはじめないといけないな」と思いはじめるはずです。

ToDo3 何でもいいからはじめてみる

それでも、仕事や勉強をはじめられない人もいるはずです。その場合、本来するべき仕事や勉強にいきなり取り組むからハードルが高くなってしまい、脳が拒絶反応を起こすのです。

まずすべきことは、とにかく「何か」をはじめてみること。次の6つのリストを参考に、手っ取り早くできそうなことからはじめてみてください。すぐにやる気が出てくることでしょう。

(1)計画を立てる
1日の最初に、「ToDoリスト」を書くことからスタートしよう。午後や夜の場合は、「今から1時間でやること」など、時間を区切った「ToDo」や「目標設定」をすると、それだけでやる気物質のドーパミンが分泌する。

(2)何かを書く
「手書き」で書くことが重要。脳を活性化して、側坐核が興奮モードに入る。「見る」だけだと脳を活性化しないので、とにかく書く、あるいはパソコンに「入力」して手先を動かそう。メール3通を返信すれば、「やる気モード」にスイッチが入る。

(3)テンションを上げる音楽を聴く
仕事中に音楽を聴くと仕事のパフォーマンスが下がると、多くの研究が示している。とはいえ、仕事の開始前に、自分の好きな曲、テンポの良い曲、ノリノリの曲を聴いて、テンションを上げるのは効果がある。1曲終わった瞬間に、仕事(勉強)をスタートさせることが大事。

(4)スマホ、ネットを切る
テキサス大学の研究では、スマホが机の上に載っているだけで、集中力などの認知機能やテストの成績を低下させることがわかっている。スマホのスイッチを切ってカバンの中に仕舞ったり、隣の部屋に置いたり、ロッカーに仕舞おう。パソコンにしても、Wi-Fiをオフにするなど、ネットとの接続を切るといい。

(5)仕事(勉強)しているふりをする
作業しなくてもいいので、机に向かってパソコンや本を開いて、仕事(勉強)しているふりをしよう。やる気が出ていなくても、とりあえず机に座って、体の態勢だけでも開始に備えます。「ふり」も5分続ければ、次第に「やる気モード」に切り替わる。

(6)自分なりのルーティンを作る
以上の5つを組み合わせ、「自分なりのルーティン」を作る。毎日、同じパターン、同じ儀式をすることで、ムダなくスムースに仕事(勉強)をはじめることができる。

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