はじめに
転職先は目標から逆算して考える
では、具体的に、現在の年収が400万円のCさんが35歳時の目標とする「年収1000万円、メガベンチャーのマーケティング責任者」へのプロセスを逆算して考えてみましょう。
目標であるメガベンチャーの必須条件を見ると「事業会社のマーケティング部門でのリーダー経験」とあります。このメガベンチャーに入社するには、事前に「事業会社でのマーケティング部門でのリーダー」を、別の会社で経験しておく必要があることがわかります。まずはこの条件が得られそうな求人を探していきましょう。
探してみると、リーダーポジションの求人は少ないのですが、入社後に成果を出し、リーダーになれそうな求人は多数あります。ここでCさんは「事業会社でのマーケティング担当」の求人に目をつけました。
ただ、「事業会社でのマーケティング担当」の必須条件には「広告代理店、もしくはWEBマーケティング会社の法人営業経験」とあることが多いです。現在「メーカーの法人営業」を仕事にするCさんはこの条件を満たしていません。
ですから、Cさんが「事業会社でのマーケティング担当」になるには、「広告代理店、もしくはWEBマーケティング会社の法人営業経験」を積める会社に入社する必要があります。
「広告代理店やWEBマーケティング会社の法人営業職」は、多くの場合、何かしらの商材の法人営業経験があればチャレンジできます。Cさんはメーカーで法人営業をしているので、これらの求人に応募することができるのです。
このように逆算してキャリアを考えていくと、Cさんが取るべきファーストステップがはっきりとわかりますよね。
今回の事例では、Cさんが年収1000万円を達成するには、まずWEBマーケティング会社などに転職してマーケティングの専門知識を獲得し、次のステップで事業会社でのマーケティングプレイヤー、リーダー経験を得ておけば、メガベンチャーのマーケティング責任者を目指せることがわかりました。
これらの求人を「3年を1つのステップ」として経験を積んでいくことをプランとし、キャリアの逆算を考えておくのです。
なぜ、1つのステップが3年間なのか?
自分のキャリアを逆算し、今後の展望を明確にしておくと、企業の知名度、面白そうな仕事内容、自由闊達なカルチャーなどのふわっとした理由で求人選定してしまうリスクを避けられます。
そして、いかに次のステップの求人につながる経験やスキルを獲得できそうか という観点で、キャリアを選択できるようになるのです。直近のステップとなる求人の年収が低くても、次に繋がる経験、スキルを獲得できるのであれば、迷わずチャレンジすべきです。
ここで、なぜ1つのステップが3年間なのかと思われる方もいると思うので説明しておきます。
キャリアというのは、1つの職種を大体3年で1セットとして評価されることが多いのです。その職種での「3年」という経験は、その職においてある程度習熟し、成果を出せるだろうという判断基準に充てられるケースが多いという現実があります。あくまで目安なので、前職と関連度の高い経験であれば、厳密には2年や2年半であってもいいでしょう。
逆算型でステップを考え、3年ごとに着実にキャリアを積んでいけば、年収1000万円も達成可能な目標となるのです。