はじめに

IT、IoTを活用して管理を効率化

――物件が増えると管理の手間もかかります。どのように対応しているのですか。

基本的には細かいところまですべて自分で見ます。不動産に限らずですが、投資は人任せでうまくいくことはないと思っています。そのため、お金や物件管理は信頼できる人にある程度は任せるのですが、実務はディレクションします。例えば、物件を見に行って気になったことがあれば、レッドマインという進捗管理ソフトを使って管理会社にやってほしいことを指示します。工事の残置物があったので撤去してください、ここを修理しておいてくださいといった細かなリクエストを伝えるわけです。

物件数は大小あわせて約30件ありますので、1つ1つについて指示を出すのにはそれなりに手間と時間はかかります。ただ、ITを駆使して業務を効率化させることは、前職の情報処理の仕事ではまさに本業でしたのでその経験を活かして管理業務は効率化できています。

――具体的にはどんな業務が効率化できるのでしょうか。

物件の現場ではIoT機器を活用します。例えば、インターホン、防犯カメラ、オートロックがついていない場合は、自作して取り付けます。ネットワーク経由で遠隔管理できるようにするだけで手間は大幅に減らせます。社内の事務処理については、VPNを使ったリモートワークの導入が当たり前です。銀行とのやりとりでは、まだファックスを使うことが多いのですが、ファックスも電子化すればメールと同じように扱い効率化できます。賃料相場の分析などもITで行い、その結果は自社(コアプラス・アンド・アーキテクチャーズ)のウェブサイトで公開しています。

――会社のウェブサイトを見ると、大家業に役立ちそうな資料や収益計算のエクセルシートなども無料で公開していますね。

無料公開している理由は黎明期のIT文化で育ったからかもしれません。例えばLinuxや暗号化ソフトなどはすべてオープンソースといって無料で公開されています。そのような偉大なソフトウェアの多くが無償提供されていて、自分もその恩恵を受けて育ったことを考えると、自分が作ったデータやアプリの提供方法も無償という選択肢が思い浮かびました。

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