はじめに
仕事で得た知見を生かす
――長期で投資する会社員投資家にとって有利な点はどんな点でしょうか?
短期で動く株価を読むのは難しいのですが、長期的には株価と業績は連動します。ここは熟練すれば見えやすくなると思います。
大事なことなのは、自分の強みを生かすことです。会社員は自分の仕事の業界について詳しいと思います。これは会社員投資家に有利な点で、仕事をしながら積み上げてきた知識、経験は活かせるでしょう。例えば、自分の業界で「あの競合が手強い」と感じる会社は、業界内で有望な会社の可能性があります。そういう会社の株を買うのは投資としてはアリですよね。趣味がある人は趣味の世界に目を向けて、業界構造などを勉強することもできると思います。
――投資テクニックを学ぶことも大事ですが業界について勉強することも重要なのですね。
そうですね。チャートや指標も大事ですが、長期の場合は過去の業績やコスト体質などを見る方が役に立つと感じます。業界についての知識量が増えるほど、資金を増やし、リスクも取れるようになると思います。
――リスクの取り方や資金管理もスキルアップの重要なポイントですね。
そうですね。最初は誰でも下手で当たり前ですから、少額の資金で練習するのが良いと思います。練習しながら知識を増やし、徐々に投資額も増やします。
ただ、資金が少ないとリターンも小さくなるため、じれったくなります。大きく増やそうと思って信用取引で勝負する人も多いでしょう。リスクや資金の管理という点では、知識が増えないまま投資額を増やしてしまうのが危険なのです。逆に、知識が増えているのに資金を増やさないのももったいないですよね。自分の知識や技術を客観的に見るのは難しいですが、知識に応じて資金を増やしていくイメージを持っておくことが大事だと思います。