はじめに
今月から上場基準が変更
しかしながら、気になる面もあります。
東京証券取引所は11月1日から、市場区分を再編する一環で、第1部への上場・市場変更の基準を統一しました。
これまでは東証マザーズや東証2部へ上場している企業は、時価総額40億円、純資産10億円などを満たすことで、東証1部への市場変更がかないました。
それが1日からは時価総額が250億円必要となるほか、収益・財務面でも50億円の純資産や、直近2年の経常利益が計25億円か、売上高100億円かつ時価総額1000億円をそれぞれ上回ることが必要となります。東証1部に直接上場する際と同一基準であり、市場変更のためのハードルが一気に引き上げられました。
12月IPO銘柄に注目
これまで東証マザーズや東証2部へIPOしてきた銘柄は、短期間で東証1部への指定替えを目指す思惑が働いていたとしても不思議ではないでしょう。
けれども、そのバイパスルートが断たれました。今年の12月IPO銘柄は、例年通りの数が出てくるのでしょうか?
別の見方もできます。これから東証マザーズや東証2部へIPOする銘柄は、単に東証1部を目指しているわけではない、成長路線の過程にあって人材や資金が必要であるからIPOする、といった期待も持てるのはないでしょうか。
<文:投資情報部 宇田川克己>