はじめに

比べるをなくす練習:心をリセットする儀式を決める

「私はまた、あの人と比べてしまっているな」とか「自分は苦しんでいるな」と気づいた時点で本当は8割解決しているのですが、もしもそこで「でも、やっぱり……」とネガティブな思考のループから抜け出せなくなったら、気持ちをリセットするための儀式を行なってみてください。

ラグビー日本代表だった五郎丸歩選手が、キックの前に祈るようなポーズをしていたのを覚えている方も多いことでしょう。あれは、自分の意識を集中して、もっとも効果的にパフォーマンスを発揮できる「ゾーン」に入るための儀式(ルーティン)です。どんなピンチのときでも、それをやれば自分の「ゾーン」に入ることができるように、五郎丸選手は訓練を重ねてきたはずです。

私たちもその練習をすることで、自分の感情をコントロールしやすくなります。

たとえば、コーヒーを飲むとか、深呼吸をするなど、何かしらの行動を「感情をリセットするための儀式」として、つねに意識しながら行ないます。ただ漫然とコーヒーを飲むのではなく、「このコーヒーを飲んだら、私は平常心に戻る」と思いながら飲んでみてください。

それを続けることによって、コーヒーを飲めば気持ちが落ち着き、ほかの人と比べたり、妬んだりでしまう気持ちを流し、本来の自分にリセットできるようになってきます。

「たまたまコーヒーを飲んだら落ち着いた。コーヒーってすごい」という話ではなく、「私はたとえマイナス感情にとらわれたとしても、コーヒーを飲めば断ち切れる」と、意識的に訓練をして、そういう自分をつくり上げるのです。

アロマやヨガ、ストレッチなどもいいですね。ペットや子どもの写真を見る、象徴的なものに触れる……など、自分の生活に取り入れやすい儀式であればなんでもいいのです。それをしっかり自分自身に意識づけることが大切です。

心のザワザワがなくなる 比べない習慣 玉置妙憂 著

自分なりの解決法が見つかる 前向きに悩む力

(この記事は日本実業出版社からの転載です)