はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は深野康彦氏がお答えします。
私の財産について、ぜひプロの方のご意見をいただきたく、よろしくお願いします。
【海外投信】
海外株式の投信を200万円で購入、毎月分配型で現在のところ分配金が23万円
【国内株式】
銘柄A(証券):100万円で取得、利益21万円
銘柄B(資産運用):37万円で取得、損失19万円
銘柄C(空運業):39万円で取得、利益5万円
銘柄D(電気):67万円で取得、利益5万円
銘柄E(不動産):18万円で仕入、損失8万円
【米国株式】
銘柄F(情報通信):58万円で取得、利益2万円
【現金】
590万円
証券会社は地方の証券会社になります。どちらかといえば、言われたままに買っているかもしれません。ネット系証券及び、大手証券でCMを行っているファンドラップにも興味があります。今年58歳になりますが、会社は休職中で仕事を続けられるのか不安もあります。
(50代後半 既婚・子供2人 男性)
深野: 資産運用等に関するご質問ですが、年齢等を考慮すれば老後資金の準備がメインテーマになるかと思います。
いただいた資料によれば、投資信託200万円、株式(米国株含む)約520万円、現金590万円、合わせて1,310万円の金融資産を保有しておられるようです。
不安があるなら資産運用は保守的に
今年58歳になられるそうですが、金融広報中央委員会の平成28年度調査によれば、50代の金融資産保有額の中央値は1,074万円、60代は1,500万円ですから、ほぼ平均程度の金融資産を保有していることがわかります。
現在仕事を休職中、仕事を継続できるか不安がある一方で、今後はファンドラップにも興味があると書かれています。
通常、仕事面の不安を抱えている場面では、資産運用を保守的にすることになります。現在、全金融資産のうち投資性商品が55%、現金(預貯金)が45%という状況では、収入面に不安を抱えていることを踏まえると、ややリスクを取り過ぎだと思われます。
投資資産の割合は「100-年齢」まで
金融資産の何%まで投資性商品に回せるかは人それぞれですが、欧米などでは「100-年齢」を1つの目安としていますので、この面からもややリスクを取り過ぎと思われます。
だからといって投資性商品の割合をすぐに減らすべきとはいいませんが、仕事面の不安を抱えている以上、現状以上の投資は控えるべきです。
新規投資は収入面の不安がなくなり、かつ、今後のライフプランを俯瞰してリスクを取っても大丈夫と判断されたなら再開すべきだと思います。
証券会社は手数料の安いネット証券に移管
現状で行っておくべきことは、仕事面の不安がある以上、徐々に投資性商品の割合は減らしていくスタンスが賢明だと思います。また、地方の証券会社を利用しているとのことなので、売買手数料が安いネット証券に資産を移管して取引を継続する手続きなどは進めたほうがよいと思われます。
ファンドラップについては、運用成績等が相場環境次第な面が大きいようです。
ご自身で国際分散投資ができるようならば、投資コストの点からメリットは少ないと思われますので、あまりおすすめはできません。1度説明をお聞きになるくらいはよいかと思われますが……。