はじめに

最強の指値法は、現金値引き

よって、基本的に指値を業者は嫌がります。その業者を動かすためには、業者が納得する指値のポイントが必要なのです。では、どのように指値をすればよいのでしょうか。あなたも、売主も、仲介業者も納得の3つの指値交渉術をお伝えします。

(1)現金による値引き
第1に、最強の指値の武器は、前回の記事でも書いた「現金値引き」です。これは一般には不動産価格を3割引きさせる威力があります。1000万円の中古物件なら、300万円の値引きが通ってもおかしくありません。

(2)劣化指摘による値引き
ただし、これはキャッシュがある方に限られるでしょう。キャッシュに余裕がないときは、どうしたらよいか? 第2に、「損傷個所を明確にして、修繕費がかかる」という理由で交渉をすることです。

ただし、「〇〇も▲▲も壊れているので安くして」などと、上の立場から指値をしてはいけません。あくまでお願いベースで「物件を大切にしたいので、ここを直す費用をおまけしてもらえないか」という態度で接するべきです。

100万円程度の大幅値引きが可能な修繕箇所は「屋根」「壁」の劣化です。屋根は、2階の窓やベランダから状態の確認が可能ですが、地上からでも「軒先」の状態などで確認可能です。

屋根がトタンである場合は、塗料につやがないなどの状態が確認できれば、塗料が劣化しているサインです。瓦の場合は、ずれや割れなどの状態があれば指摘して、根拠をもって価格交渉しましょう。

壁は、触ってみて白い粉状になった塗料が手についてしまうようなら、塗装が必要です(チョーキング現象)。また、ペットボトルの水を壁にかけてはじかないようであれば、塗料が劣化している証拠。そして、壁と壁をつなぐ「コーキング」にヒビなどが入っていないか確認します。ひびが入っていなくても、硬化しているようであれば、一定劣化していますので価格交渉材料になります。

「屋根が一部さびている」、「壁が浮いてきている」などのひどい状況であれば、専門業者を呼んで、見積もりを取って、価格交渉に挑戦してみましょう。

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