読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、55歳、会社員の女性。会社都合によって退職し、退職金を受け取った相談者。この退職金で、あと20年分ある住宅ローンを一括返済するべきか悩んでいるといいます。繰り上げ返済で負担総額を減らすか、現金を手元に残しながら不安定な社会情勢に備えるのか、どちらがよいのでしょうか。FPの飯田道子氏がお答えします。
今年に入って会社の支店閉鎖があり2月に会社都合で退職。3月に退職金を割増で頂いて再就職しました。今の会社は年齢的に正社員ではなく、契約社員での採用で60歳までは、月給32万円、60歳からは再雇用になり月給20万円なります。希望すれば65歳まで働くことができます。ボーナスはありません。40歳にマンションを購入して、1,890万円借り入れして35年ローンを組んでいます。現在ローン残高は、820万です。金利も途中で借り換えして、0.8%の低金利で月々3万8,000円返しています。
退職金は、1,400万ありましたが、一部年金保険にまとめて入れたり、50万円、NISA 枠で株式や投資信託を買って投資も始めました。年金共済保険に400万、外貨建て年金保険に110万円、積立共済に100万円の貯蓄があります。残りは約1,200万、とりあえずまだ普通預金に入れたままになっています。住宅ローンを一括返済してしまうことも考えましたが、今、コロナ禍で、雇用も先があるのか心配なので住宅ローンを全額返してしまうと、現金比率が少なくなるので、不安です。60歳までは、このままにしてローンを返しながら、とりあえず、短期間で何か良い運用はないものかと考えてみたり、先に取り敢えず、住宅ローンを返して、浮いたお金で何か積み立てをしたほうがいいのかわからず、そのままの状態です。あと、この金額で老後の蓄えが足りているのか、不安です。
良いアドバイスがあれば教えて頂きたいです。
【相談者プロフィール】
・女性、55歳、会社員、独身
・子ども:なし
・同居家族について:1人暮らし
・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅)
・毎月の世帯の手取り金額:26万円
・年間の世帯の手取りボーナス額:0円
・毎月の世帯の支出の目安:20万円
【毎月の支出の目安】
・住居費:5万6,000円
・食費:6万円
・水道光熱費:1万円
・保険料:1万2,000円
・通信費:1万2,000円
・車両費:2,000円
・お小遣い:2万2,000円
・その他:2万6,000円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:4万円
・ボーナスからの年間貯蓄額:0円
・現在の貯蓄総額:1,300万円
・現在の投資総額:550万円
・現在の負債総額:820万円