はじめに
それでも新築マンションはしばらく値下がる気配なし
新築マンションにおいても二極化は進んでいきますが、大手デベロッパーばかりが新築マンションの供給をしている以上は売れなければ供給物件数を絞るだけですから、リーマンショック時のようにアウトレットマンションとして投げ売られることは考えにくいでしょう。
体力ある売主ばかりですから竣工までに完売させることを目標とせず、中長期的にできるだけ高値で販売していく方針にすることも容易ですから2021年中に新築マンションが安く買えることに期待しないほうが良いでしょう。
もちろん2023年~2025年などもう少し長い目で見れば今より落ち着く可能性もありますが、少なくとも2021年~2022年に出てくる新築マンションは原価が確定しているわけで安く出てくる可能性は極めて低いのです。
郊外シフトはごく僅か
コロナ禍でテレワークが増え、郊外へ住まいを移すという方が増えているというニュースなども見受けられますがマンションにおいては微増ではないでしょうか。私はマンション購入者の相談を業務としていますが、都心派の方が急に不便な郊外へシフトしたという例は滅多にありません。
もちろんご相談者様のほぼ100%がマンションの相談であり、戸建ては専門外ですから不動産全体という話ではありませんがマンションにおいては微増程度と感じます。
テレワークが主となったとしてもまったくもって出社しないという方は少ないでしょうから、あまりに不便な郊外でマンションを買うという流れには今後もならないと私は考えます。
中古マンション市場は在庫が不足
コロナ禍において住宅購入を検討される方が増えていることはたしかです。ただ、その多くは「賃貸脱出組」です。テレワークなどが増え専有面積のゆとりや遮音性などを求めて住宅購入を検討するわけですが、すでに分譲マンションに住んでいる方はどうでしょうか。
このコロナ禍に特別な理由もなく引っ越しという大変な作業をするのを避けるのは当然ですし、そもそも住み替え先の対象となることが多い新築マンションが建築費高騰の影響で価格が高いのに狭い・スペックが低いとなれば転勤などどうしても引っ越さなければならない場合を除けば自宅を売却とはなりません。
ステップアップの住み替えが減っているのに賃貸脱出組が増えており、人気の中古マンションが値下がることはしばらくなさそうです。