はじめに
減収に合わせた暮らし方を
ケガの後遺症により、今までできていた業務ができなくなったことによる減収かと思いますが、後遺症の状況はリハビリなどで回復する可能性はあるのでしょうか。今の状況が生涯続く状況であれば今後、増収を見込める可能性もありませんから、今の収入に合わせた暮らし方に慣れていくしかありません。
もともと高収入であったのでしょう、支出はどの費目も多めな状況ですから、「支出を減らす」意識を持てば、かなり改善できるのではないかと思います。まずは現状、毎月何にいくらを使って暮らしているのかを把握するために、支出の記録を継続してみましょう。口座引き落としのものや月に一度決まった金額を支払うものは把握しやすいので、日々の生活費を中心に記録すると、効率が良いでしょう。
その上で、削減できる支出がないか、改めて見直してください。削減できないものばかりだと思う場合は、この支出が今の暮らしに見合っているかどうかを疑うことも必要です。
FPが気になる費目は?
客観的に見ると、食費は大人3人の食費としても高めです。日用品も同様です。通信費や被服費も改善の余地があります。具体的には、食費はその内容を見直してみましょう。外食が多いのか、総菜が多いのか。中にはデリバリーやデパ地下惣菜にかける支出が多いというケースもあります。現状が分かると、外食を減らそうか、自炊する頻度を上げようかなど、対策も考えやすいものです。
日用品も同様です。上質な消耗品にこだわっている、買いだめをたくさんしていた等が分かると、ストックの仕方や買う商品の選び方も変わってくるでしょう。
教育費、一人暮らし費用はお子さんと相談を
減収に加え、長女の一人暮らしのために、月20万円もの仕送りが必要だそうですが、果たして全額相談者さんが負担する必要はあるでしょうか。多くのお子さんが都内に進学し、一人暮らしをしていると思いますが、20万円も仕送りされるという裕福な子は、少ないと思います。
今、日本学生支援機構の奨学金を利用しているのは、学生2人に1人といわれています。それに大学内で取り扱う奨学金を加えて受給したり、アルバイトをして生活費や授業料等の一部を子ども自身が支払っているというケースが多いように見受けます。大学は義務教育ではなく、子どもの意思で、学びたい気持ちを持っていくところですから、それで当たり前だと思います。医師の場合は収入が高いことが多いので、所得面で奨学金の利用は難しいかもしれませんが、アルバイトなどお子さんの努力で何とかできる部分もあるはずです。
ですから、相談者様が医師で収入が多いことや、メンツに関係なく、子どもにもある程度、大学に通うための費用を負担させるよう、話し合いをすると良いでしょう。都内は家賃が高いので、家賃は家計で負担するけれど、生活費の一部はバイトなどで補ってほしい、などというやり取りがあっても良いと思いますよ。ましてケガの後遺症で収入が下がっているのですから、尚のことです。
長女さんとそのようなやり取りをしていると、次に進学を考える次女さんも、進学とお金について意識するでしょう。そうすると、大学授業料や生活費などの負担は丸々2倍とはならないはずです。