はじめに

後の資金作りも意識して

現状の赤字、教育費負担など目の前の問題がある程度落ち着いたら、早めにご夫婦の老後資金作りにも着手しましょう。定年年齢がわかりませんが、勤務されているのなら、あと10~15年ほどしか働けません。退職金または企業年金などで、年金暮らしになっても問題ないほどお金があるというなら良いのですが、そうではない場合、老後資金を意識して貯めていく必要があります。

現在減ってきたと言っても貯金は1,000万円以上ありますから、生活防衛資金にそれを当て、今後できる貯金は老後資金用に運用することを検討しましょう。個人型の私的年金制度であるiDeCoは、今の時点では60歳までしか掛け金を拠出できませんが、2022年春からは公的年金制度に加入していれば65歳まで拠出できるようになります。もし、すでにDC(企業型確定拠出年金)があり規約でiDeCoが利用できなくても、これからは利用できるようになります。受け取り年齢も最大70歳だったのが75歳に上がりますから、50歳を過ぎても利用する価値があります。掛け金が全額所得控除、運用益が非課税という税制優遇のメリットも生かせます。

iDeCoとつみたてNISAは組み合わせで補う

ただiDeCoは一定の期間引き出すことができませんから、自由に使える資金がないと不安という場合は、つみたてNISAを検討しても良いでしょう。iDeCoの掛け金額が少ないと思う場合は合わせて取り組むとよいですね。つみたてNISAは掛け金額が年間40万円まで、20年間非課税で運用できます。投資対象は金融庁が認めた投資信託やETF(上場投資信託)ですから、長期でみれば失敗のリスクは低く抑えられるでしょう。

今は赤字の状況かもしれませんが、支出を見直せば、良い方向へ迎えるように変わることができます。こうでなくてはいけない、自分のメンツが、と考えず、その時に合わせ柔軟に対応できるようになっていきましょう。

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