はじめに

米株式市場は、新型コロナウイルスワクチン期待で楽観的見通しが先行し過ぎている気がします。米国内における新型コロナウイルス感染拡大が懸念される現況下で発表された米11月雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想比でかなり悪い内容でした。もともと、10月よりも改善が鈍化する予想でしたが、それよりも悪かったことで、市場のファーストリアクションはドル売り、米国債利回り低下でした。

今後の米経済の先行きはどうなるのでしょうか。


新型コロナの影響が甚大

事業所調査ベースの非農業部門雇用者数増減は、市場予想の前月比46万人増に対して、同24万5000人増でした。9月・10月分の修正が合計で1万1000人でしたが、それを考慮しても悪い内容です。

11月失業率は、直前での市場予想6.7%と一致し、11月に発表された大幅改善のようなインパクト(ポジティブ・サプライズ)は全くありませんでした。

新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、いくつかの地域・都市ではロックダウンが実施されるなか、サービス業が大きく打撃を受けており、中でもレジャー関連への影響が非常に大きくなっています。知人の日本食屋さんが言っていた言葉ですが、「リーマンショックの時も大変でしたが、外に人は歩いていました。今回は、外に人が歩いていないんですよ」がまさにこの雇用情勢を表しているものと思われます。

今回の米雇用統計発表後、米金融当局者からは以下のような発言が出ています。

他の米金融当局者もそうですが、米政府・議会に対して、追加経済刺激策を促す内容です。確かに、さらなる金融緩和で雇用が回復するとは思えませんし、物価が上昇するとも思えません。また、金融政策は即効性には欠けると筆者も考えていますので、目先は追加経済刺激策で乗り切るほうが効果的なのでしょう。