はじめに

今後のシナリオは

前述したように、米11月雇用統計発表直後の市場のファーストリアクションは、ドル安・米国債利回り低下でした。しかし数分の内に相場は反転し、ドル高、米国債利回り急上昇となりました。

過大な米国債買い持ちポジションの投げが出た可能性もありますが、悪い指標によって大規模な米追加経済刺激策への期待が一気に広まったものと思われます。大規模経済刺激策期待=大規模財政支出懸念=米国債利回り上昇、というシナリオが、弱い米雇用統計をすっかり忘れさせてくれる相場の動きになり、米株式市場もオープンから上昇しました。

米株式市場が上昇してしまった以上、マコネル米上院院内総務も大規模経済刺激策を無視するわけにはいかないでしょう。

筆者は米追加経済刺激策に対しては楽観的な見通しをしており、加えて、グローバルな米国債の投機的買い持ちポジションの調整も必至と考えています。

筆者の10-12月期の米10年債利回りの当初予想は0.5%~1.0%であり、米国債利回り上昇がドル円を底堅くすると予想していました。1ドル108円までの上昇を予想していましたが(10-12月期予想レンジ104円~108円)、108円には届かないまでも、引き続きドル円は底堅い動きになると予想しています。

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