はじめに

どこの企業でも、人事労務業務を進めるにあたって独自のExcel帳票を作成していると思います。そしてほとんどの場合、過去の帳票をコピーして手入力した部分を削除し、ファイル名を書き換えたものをテンプレートとして使っていることでしょう。しかしそれでは、新しい機能を追加したいときに対応ができません。また「今はこれで動くからいいけど、いざというときのために何でこの関数で望む結果が表示されるのか知っておきたい」と思うこともあるでしょう。

そこで「マイクロソフトでWindows開発に13年間従事したのち社労士資格を取得・独立した」という異色の経歴をもつ加藤秀幸さんの著書『人事・労務担当者のためのExcel&Wordマニュアル』(以下、同書)から、人事労務業務において活用頻度が高い関数の使い方をみてみましょう。

※本記事は同書の内容を一部編集のうえ抜粋したものです。また、同書ならびに本記事の内容は「Microsoft365(旧称Office365)」をベースに2020年9月時点の情報に準拠して書かれたものであり、適用範囲はMicrosoft365およびOffice2013/2016/2019となっています。


法定超労働時間や遅刻早退時間の集計(IF関数)

条件によって処理を分けるときに使用するIF関数は、人事業務において最も利用頻度が高い関数の1つです。また、IF関数を理解することは他の関数(SUMIF関数、SUMIFS関数、COUNTIF関数、COUNTIFS関数など)への応用には必須となります。ここではIF関数の活用シーンと用法を解説します。

法定超労働時間の集計例
法定超労働時間は、一日の総労働時間が法定労働時間8時間を超えている場合に、総労働時間から法定労働時間を引いて算出します。一方、8時間を超えていない日の法定超労働時間は0となります(週40時間を超える労働時間は、この場合考慮しないことにします)。 このように条件により処理を分ける場合にIF関数を使用します。

遅刻早退時間の集計例
遅刻早退時間を計算する際は出勤の有無で処理を分けます。関数の中に関数を入れることを「入れ子」(または「ネスト」)といいます。複数の条件で処理を分岐させることができるのです。