はじめに

妻80歳の時の預金残高は446万円!?

2

(表2)から、第2子が大学卒業した夫71歳の年には、預貯金残高と投資資金を合わせると1億円以上あります。しかし老後資金として安定して支給されるものは公的年金だけしかありません。企業年金が潤沢にある会社に比べると、老後の預貯金残高の目減りは早く、夫89歳の預貯金残高は446万円に減っています。

子どもにかかる費用に限っても、教育費のほかにも自動車の運転免許取得費用、大学卒業旅行、子どもの結婚援助費用、子どもの住宅取得援助費用……など、ご家庭により異なるというものの際限がありません。注意して頂きたい点が、夫89歳の時の妻の年齢は80歳だということす。投資資金1,500万円のストックがあるというものの、人生100年時代ですから、妻はまだまだその後の20年間分の老後資金のマネープランを考えておく必要があります。

対策のポイントは3つ

ポイント1: 第2子が大学卒業する夫71歳、妻62歳までには支出の見直しをしましょう。贅沢な暮らしに慣れると、生活レベルを落とすことに苦痛がともなうものです。しかし相談者は、「今の贅沢な暮らし」と相談内容に書かれているので、ちょっぴり意識して生活費を引き締めるだけで、ぐんと貯蓄が増えるでしょう。

ポイント2: 投資資金としてストックしている1,500万円の運用目標を決めましょう。投資商品ですから当然ブレの幅があります。1年に1度は内容を見直して、順調に増えているかのチェックは大切です。

ポイント3: 外資系メーカは、国内の企業のように定年延長や系列内や子会社への異動のしくみは少ないかもしれません。最近は「仕事があれば死ぬまで働きたい」と答える高齢者が多いようです。少しずつ「60代以降にどのように働くか」という第2の人生の過ごし方を考え始めることをおすすめします。その分収入が増えます。

最後に

これまでご夫婦で仕事もバリバリ働き、戸建て住宅のローンも完済し、現在はお子さん2人の出産・育児と頑張って生活していらっしゃるご様子が伺われます。現在の高収入だけに目を奪われず、さらに堅実に生活をしながら貯蓄に励まれると、将来のお金の心配はなくなります。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

この記事の感想を教えてください。