はじめに
スタイリングはよりモダンに、注目はインテリア
シンプルでありながら質感の高さはこのクラスではトップレベルの仕上がり。必見です
新型のデザインやコンセプトは旧型から継承したものです。もちろんルノーとひと目でわかるデザインアイコンは数多くありますが、細部の仕上げなども含め、モダンさを加えた点も魅力のひとつと言えます。
そして注目はインテリアの大幅な質感&機能向上です。従来までのルーテシアのインテリアはそれなりの「味わい」は感じていたのですが、昨今のADAS(先進運転支援システム)などを搭載するためにも変革が求められていました。
最近聞く機会が増えた「スマートコクピット」をルノー流に仕上げたのが新型ルーテシアのインテリアだと感じました。
各機能に関しては後述しますが、ここのパーツなどの質感の向上は圧倒的。あくまでも概念とはいえ、従来のBセグメントを越えており、ライバルを引き離すほどの仕上がりとなっています。
一例ですが、ダッシュボードにはしっかりソフトパッドの加工が施されています。最近は上位のCセグメントでも“樹脂感丸出し”と言ったプラスチック的なクルマも増えてきています。コスト削減の一環でもあるわけですが、それなりに高額を支払うのにその品質では正直厳しいと感じるのも現実です。また各種スイッチ類に関しても押した際の“感触”もしっかりしています。
シートに関しては従来から着座感は良好でしたが、座面長も拡大されており、比較的大柄の人でもしっかりと身体をサポートしてくれます。
リアシートはもちろんクラスなりのサイズですが、足を前席の下に入れやすく、少しアップライト(立ち気味)の姿勢で座らせるスタイルは意外と長距離走行時でも疲労が少ない場合があります。
何よりも背もたれの部分も含め、しっかりとお金がかかっている着座感です。乗車定員は5名で、実際フル乗車はイメージしずらいですが、新型は中央部のシートベルトもシート本体に内蔵させる方法に切り替えました。従来は天井からベルトが伸びてくる方式でしたが、実際これは装着が本当に面倒なので安全基準への対応も含め、これらが改善された点は高く評価できます。
快適装備やADASも一気に進化
新型ルーテシアでは快適性や先進運転支援システムであるADAS機能も一気に進化しました。
昨今では軽自動車にも採用が増えている電動パーキングブレーキやACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の標準装備化はもちろんですが、今回新たに採用された7型液晶パネルを搭載する「EASY LINK」に注目です。
いわゆるスマホを接続することでカーナビのアプリなどが使える「ディスプレイオーディオ」の一種ですが、ルーテシア専用設計ということもあり、とにかく多機能なのが特徴です。
注目の7インチディスプレイはAppleのCarPlayやGoogleのAndroid Autoにも対応します
スマホと言えばAppleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」が代表的ですが、もちろんどちらにも対応します。カーナビアプリは携帯電話のGPSやセンサー類を使って自車位置を表示しますが、新型のルーテシアでは特定のアプリ(具体的には筆者が常に使っている「カーナビタイム」)では長いトンネルでも自車位置をロストすることはありませんでした。クルマやディスプレイオーディオの種類によって違いは出るのですが、GPS電波が届きづらいトンネル内で分岐がある際などにはこの精度は非常にありがたいです。
一方でどうしてもスマホアプリがしっくりこない場合でも今回はディーラーオプションでパイオニア製のカーナビが設定されています。価格は26万7,300円とやや高めですが、この7インチディスプレイをそのまま使える点でもメリットはあると感じました。
この他にもADASの設定からエアコンやオーディオなど6名分の設定をカスタマイズし記憶できる「ユーザープロファイル」、そしてエンジン出力やトランスミッションの制御を切り替えることができる「マルチセンス」の設定も画面上で行うことができます。
さらに車内空間の夜間照明をカスタマイズできる「アンビエントライト」機能はBセグメントとしては極めて珍しいものです。色だけでなく照度(明るさ)も調整できるので気分や好みに応じて設定できる点は魅力と言えます。