はじめに
株式市場の需給
海外投資家は、12月の3週目まで6週連続の買い越しとなっています。
アベノミクス相場で海外投資家は累計で20兆円も日本株を買い越しましたが、アベノミクス相場の後半では売り越しに転じ、現在は買った分をすべて吐き出してしまった状態です。
つまり、海外勢の日本株ポジションは相当なアンダーウェイトになっていると思われ、その見地から買い余力は十分です。コロナ禍で増えた新しい個人投資家層もいます。需給的にも株式市場は買いが入りやすい状況と思われます。
2021年の日経平均株価は!?
過剰流動性と低金利の中、政策の後押しもあって景気・業績の回復見通しが強まるというのが基本シナリオです。そのような状況では株価は上昇すると考えますが、問題はどのくらい上昇するかでしょう。
過去50年間(1970~2019年)で日経平均が年間で上昇した年は32回あり、その平均上昇率は約20%でした。また過去50年間で日本の景気循環(内閣府経済社会総合研究所の景気基準日付によるもの) における景気の谷は9回認識されていますが、景気が底をつけた翌年の日経平均の変化率を平均すると22.5%でした。
以上の点から、上昇相場を見込むシナリオでは2021年の日経平均株価上昇率を20%と仮定します。本稿執筆時点(2020年12月23日)で2020年末の終値を2万6,000円と想定し、20%の上昇率を当てはめる、と2021年の年末の株価は3万1,200円が期待できます。
アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサスによれば、来期の予想日経平均EPS(1株あたり純利益)は1,600円。これをPER20倍で評価すれば日経平均株価は3万2,000円ですから、予想業績とバリュエーション面からも妥当な水準と考えます。