はじめに

手厚い政策支援継続で2021年も株式は上昇へ

大規模な金融緩和も株価にとって大きな支えとなっています。感染拡大を受け、日銀は2020年3月に株式ETFの買い入れ額をほぼ倍増させました。

同時期には米FRB(連邦準備理事会)も、2010年から2013年にかけて実施された量的緩和の30倍を超える信じ難いペースで国債の買入れを実施しました。ECB(欧州中央銀行)も、パンデミック緊急買入れプログラムという大規模な資産購入制度を創設しています。

これらの措置は金利低下による資本コストの引き下げを通じて、株式市場を大きく押し上げる要因となりました。

株式の需給も改善しています。米国では家計向け給付金を原資としたスマートフォンアプリによる株取引がブームとなりました。高級レストランや旅行に行けなくなった富裕層が株式市場に資金を投じているとも言われています。

日本でも東証マザーズをはじめとした新興市場を中心に個人投資家の売買が活況を呈しています。一人10万円の家計向け給付金のほとんどが貯金に回ったとの麻生財務大臣による発言は批判を浴びましたが、各種調査で年金受給世帯を含め大部分の家計で収入が変わっていないことが示されています。そう考えると、本来必要のない世帯にも給付金が配られたことは事実で、その一部は株式市場に回ったと見られます。

2021年もこういった状況は変わらないと思われます。ワクチンの供給体制が整うまで時間がかかる中、経済活動には引き続き制限がかけられます。一方、2020年春のロックダウンと異なり、工場などは稼働しています。また、多くの大手企業では在宅勤務の体制が整備されており、上場企業の業績の回復傾向は続きそうです。市場機能も十分に維持されています。

感染が拡大する中では中央銀行による金融引き締めも政治的に困難です。米FRBは2020年8月に、常に最大雇用を目指すように政策枠組みの変更を行い、雇用の改善を理由とした金融引き締めを否定しました。ECB、日銀も2021年を通じて現状の金融政策を続けると見られます。

米FRBは月1,200億ドルの国債とMBS(不動産担保証券)の買入れ、ECBは月1,500億ユーロ程度の国債買入れ、日銀も国債と年6兆円の株式ETFの買入れを続けていますが、これらの政策は2021年も市場に過剰流動性を供給し続ける見込みです。

こうした環境のもとで、株式は2021年を通じて世界的に上昇基調を続けると予想します。日本株もTOPIX配当込みでバブル期の過去最高値を更新する可能性が高く、日経平均株価でも3万円の大台回復が視野に入るでしょう。