はじめに

最大のリスクはコロナの感染収束

逆説的ですが、株式市場にとっての最大のリスクは新型コロナウイルスの感染収束だと考えています。

これまで複数の製薬会社のワクチンで良好な治験結果が示されています。今後もその他の製薬会社によるワクチンの開発が予定されていることから、2021年の後半にはワクチンの本格的な供給体制が整い始めると考えられます。

これまで実績に乏しいmRNA(メッセンジャーRNA、細胞内で遺伝子によって生成される物質)を用いたワクチンへの警戒感は根強く、世論調査ではワクチンを打ちたくないとの回答が根強くあります。

しかし、感染症を一人が何人に移すかの簡易指標である実行再生産数は欧、米、日でいずれも1.1程度となっています。欧州で確認された変異種の動向が未知数ですが、現状の感染傾向が継続するのであれば、希望者によるワクチン接種だけでも感染を収束に向かわせることが十分可能です。

感染が収束すると金融政策のサポートも徐々に縮小されると見られます。米FRBの債券買入れの減額、いわゆるテーパリングが開始されます。欧州でもパンデミック緊急買入れプログラムが縮小され、日銀のETF買入れもペースが大きく落とされると見られます。

財政面においても、コロナ対策で積み上がった巨額の財政赤字を補填するために各国政府は増税に踏み切ると見られます。その際には、コロナによる被害が小さいどころか追い風にもなったハイテクセクターに代表される大手企業の法人税、富裕層の所得税やキャピタルゲイン税などが対象になりそうです。

2021年1月5日には米ジョージア州で上院2議席の決選投票が行われますが、2議席とも民主党が獲得すると50対50にハリス副大統領を加えて民主党が大統領、下院に続き上院も支配することになります。

そうなった場合、感染収束時のバイデン政権による増税幅はかなり大きくなり、米国のみならず世界の株式市場に大きな打撃になると見込まれます。