はじめに

レクサスLSはさりげなく全方位で改善を実現

次のアップデートカーはレクサスのフラッグシップ、LS。どのモデルも1千万円オーバーのプレミアムサルーンです。ここで磨き上げるべきはやはり「静粛性と乗り心地」を追求するという改善でしょう。こちらも3.5リットルV6ツインターボエンジンの特性を改善しています。実際に走らせてみると、スタートから力強さと、何よりもスムーズに静かに速度を上げていく感覚が、なんとも心地よく感じます。旧型でも十分に満足できたのですが、この新型のアップデートはこれまでの上質感をさらにアップさせていたのです。

レクサスLSレクサスこだわりの新たなシルバーのボディカラー「銀影(ぎんえい)ラスター」は独特のしっとり感があります。

「いったいどこが変わったのか?」と自らに問うても、変更箇所を即答できないのですが、一方でこれまでLSに抱いていた静粛性や極上のスムーズネスは、相変わらずレベルが高いことはしっかりと伝わってきます。レクサスのLS、走りでも相変わらずレベルが高い、という印象は自分自身の中でも上書きされていくのです。

試乗後にエンジニアの皆さんに聞けば「日常的によく使用する速度域や走行シーンでのトルクの立ち上がりを向上させました。アクセル操作に対して発生するエンジントルクの精度も向上させて、加速レスポンスを向上したのです」とのこと。

文字にしてしまうと、これだけなのですが、実はエンジンの燃焼室形状の最適化やコンロッドという部品の形状を最適化したり、クランクシャフトのクランクピン径を拡大したりとけっこう手を入れています。

エンジンの改善はこれだけではないのですが、他にもシフトスケジュールも変更して、一つのギアが担当する速度範囲を広げて、シフトダウンの頻度も減らしました。足回りの変更では振動吸収と柔らかな座り心地を向上させ、さらなる快適性を向上させているのです。

書き出せば切りがないほどの改善が施された新型LSの走りなのです。静粛性を高めたり力強さを向上させたり、レスポンスを上げたりと、全方位で改善こそが、一見地味に見えるのですが、レクサスのようなプレミアムカーにとっては重要なセールスポイントになるはずです。これまで大切にしてきたスムーズで静粛性の高い走りをさらに磨き上げることは、次期モデルへの技術的な継承の意味もありますが、なによりも、こうしたさりげなさの中で基本部分をしっかりとアップデイトしたことになります。

あと1点、今回の変更で気になったのがレクサス最新のシルバーと呼ばれる「銀影ラスター」という新色を用意したことです。写真では分かりづらいかもしれませんが、これがなんとも艶めかしいというか、濡れたような印象の新カラーを採用したことです。

レクサスLS西陣織の銀糸やプラチナ箔(はく)を使い、月明かりに照らされた「月の道」を表現したというインテリアは上質感がたっぷり。

なんでも「満月の前後数日間だけ見ることができる神秘的な自然現象“月の道”がモチーフ」に、内外装を仕上げたといいます。確かに存在感があり、日の下で見てもしっとり感が伝わってきます。これは人気色になりそうですが、オプション価格は、33.3万円とこのテのプレミアムカーとしてはリーズナブルなことに驚きました。こすったら高そうだなぁ、などと思うのは庶民の私だけでしょう。新型のガソリンエンジンの価格帯は1,073万円から1,580万円、ハイブリッドモデルは1,219万円から1,728万円は納得の仕上がりだと思います。

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