はじめに
一体感ある走りはジャパンオリジナルと言える味
Fスポーツ専用にオプション設定された本革シートにはベンチレーション機能も装備します
今回はメインを2L直4直噴ターボの「IS300」、2.5L直4ハイブリッドの「IS300h」には短時間ですが試乗できました。
個人的にはトヨタのハイブリッド車に乗っていることもあり(レクサスと比較しては失礼ですが)。ハンドリングと燃費性能を両立できるIS300hに対する期待度が高かったのですが、個人的にはターボ車の方に大きな感銘を受けた次第です。
冒頭に述べたテストコースにおけるは走行試験はもちろんですが、とにかくハード&ソフト共に新技術やチューニングを徹底的に行ったそうです。ここでは全ては書き切れませんが、例えばステアリング操作ひとつを取っても「切り込んだ」際だけでなく「戻す」際のフィーリングにもこだわっているそうです。
実際驚いたのは走り始めてから加速、そして減速してカーブを曲がるなどの一連の動きに切れ目が無いことです。人間の感覚は人それぞれですが、自分の中では「こう走ればスムーズに行ける」とイメージしてステアリングを握るのですが、色々な速度域で自分のイメージにかなり近くクルマが反応してくれます。
搭載する2Lターボは驚くほどの高出力というわけではありませんが、組み合わされる8速ATには「8-Speed SPDS」というタイプが採用されており、他のトヨタ車(例えばクラウン)に比べると反応速度は高く、その辺も切れ目の無いフィーリングに寄与していると感じました。
冒頭にボディのワイド化について触れましたが、その理由のひとつに新たに19インチタイヤを履く必要があったそうです。もちろんハイパフォーマンスタイプなのですが、最初イメージしていたガチガチな乗り心地は皆無、それよりも奥行きが深く、全体のフィーリングはクルマを操っている心地良さにも繋がります。
専用デザインの19インチアルミホイール。タイヤは前後で異なるサイズを装着します
レクサス車の美点とも言える静粛性の高さや、乗り心地も良好。前述した欧州のプレミアムセダンはそれぞれ個性的ではありますが、ISもレクサスの開発陣が作り上げた工芸品的な独自の仕上げと言えるものです。そもそも比較すること自体が必要ないほどのクルマに変貌しました。
こうなるとこれまで販売していたISの中古車の動きも気になるところですが、それはまた後日ということで。
新型ISの初期受注は好調らしく、やはりハイブリッドが60%位売れているそうです。しかし筆者的にはレクサスの匠が仕上げた走りを乗る度に感じることができる2Lターボの“Fスポーツ”をオススメしたいと思います。