はじめに

オリンピックは開催される?シナリオごとに事前に備えよう

2020年に1964年以来の悲願として開催が予定されていた東京オリンピック。しかし新型コロナの蔓延により2020年3月に延期を余儀なくされました。迎えた2021年も新型コロナウイルスの感染はとどまらず、感染が比較的抑えられていた日本においても拡大傾向にある状態です。このような中で、昨年に引き続き開催の可否についての判断が徐々に迫られる状況となっています。

では、この先どのようなシナリオがあるでしょうか。考えられるのは予定通り開催、中止、2022年以降への延期の3つです。また予定通り開催されるケースでも、観客を入れるのか、それとも無観客で行うのかなど複数のパターンが考えられます。

政府や大会組織委員会からは開催に前向きな発言が目立ちますが、IOCや海外のメディア、また日本の一部の閣僚からも批判的な発言が出始めました。開催に後ろ向きな理由としては海外と国内でそれぞれ要因が挙げられます。

海外要因としては世界的にワクチン接種が開始されているものの、当初の予定よりは遅れている上、感染拡大は収まっていません。また、国内においてはワクチン接種開始が2月下旬とされており世界から遅れを取っています。

日本国内の秋以降の感染拡大は、要因のひとつとして外国人の入国規制を緩めたことが挙げられており、外国との入出国解禁には慎重姿勢となることが予想されます。このような状況を考慮すると、中止または延期の可能性が高まっていると言えるでしょう。

そこで焦点となるのは、いつ決定が下されるかということです。昨年は3月24日に安倍前首相とIOCバッハ会長による電話会談で延期の決定がされたことから、その時期が一つ濃厚です。

一方でオリンピックを“人類がコロナウイルスに打ち勝った証”として開催させようと意気込んでいる政府関係者からすると、選挙を控えていることを考慮すれば判断の遅れが今後の選挙戦略に響くことも考えられるため、より早めに決定が下されることも考えられます。特に2月以降は細かい情報に注目しておくとよいかもしれません。

相場への影響はというと、これまで上昇してきたものの、オリンピックを期待した動きというよりは世界的な金融緩和をはじめとするその他の要素で上昇しているため、仮に中止や延期が決定されたとしても下落は限定的かもしれません。

一方で、悪材料であることは確かなため、一時的に売りの発端となる場合が想定されるため注意が必要でしょう。個別銘柄で見ると、航空業、旅行関連業など、先行きの更なる収益期待の縮小が考えられるセクターの値動き等には十分警戒が必要かもしれません。

一方で、今後急速に新型コロナの感染が収まり、オリンピック開催となる可能性もちろんあります。その際はポジティブ材料として相場が急騰上昇することも考えられるでしょう。