はじめに
政府は年内に政策方針を取りまとめる見通し
昨年12月21日に菅首相は、経産相、環境相にCPの検討を開始するよう指示しました。その後、政府は同月25日に発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、CPに関し、「成長戦略に資するものについて、既存制度の強化や対象の拡充、更には新たな制度を含め、躊躇なく取り組む」とし、導入に向けた意欲を示しました。
各種報道等によれば、政府は2月からCPに関する議論を開始し、年内に政策の方向性をまとめる見通しです。ただし、今年11月に第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の開催を控えていることを踏まえると、それに先立ち、早ければ夏から秋ごろにかけて、ある程度具体的な政策方針が判明する可能性があります。
仮にCPの導入が決定されたとしても、実際に導入されるのは当面先になります。しかし、これから議論の進展とともに制度設計が具体化されていく中で、導入時の企業業績へのインパクトが意識され、株式市場で材料視される可能性もあることから、今後も動向を注視していく必要があると考えます。
<文:エコノミスト 枝村嘉仁>