はじめに

災害の心配は?

――ただ、実際に「移住」となると、それなりにハードルが高いようにも思います。自然災害はもちろん、仕事、医療、居住などを心配する声は多そうですが。

同: よく言われるのが桜島の噴火への心配です。桜島はたびたび爆発していますが、桜島の火山灰は立地上、夏場は西に吹き、冬場は東に吹きます。霧島市は、桜島の北側に位置するため、仮に爆発が起きても火山灰の影響はほぼないと言えます。

また、誘致企業が多いので求人も多く、医療環境も整っています。「子ども医療費助成制度」では、未就学児は全額無料。義務教育中は月額2千円以上を超えた分を全額市が負担します。

ただ、移住者・移住希望者の方から『山の中での一軒家で暮らしたい』『お庭で家庭菜園をしながら暮らしたい』といった相談をよく受けますが、こういった『田舎暮らし』に向いた物件は意外と少ないです。まずは市街地にアパートなどを借り、腰を据えて理想の物件を見つけていく必要があると思います」

霧島市の「黒」にまつわる食材

霧島市役所の方に話を聞いた上で、次に霧島市の魅力を探るため各地を巡ってみることにしました。まずは食から。

霧島市の象徴的な景色としてもたびたび紹介される、無数にある黒酢の壺。霧島市の業者としては最古の「坂元醸造」という業者が行なっているもので、壺による黒酢造りは世界でも類を見ない霧島市福山エリア独特のものだそうです。

1800年頃から始まった壺による黒酢製造

「坂元醸造」の担当者の方に話を聞くと、原料は米麹、蒸米、地下水の3つのみだそうですが、これを壺に入れ、霧島市福山エリアの恵まれた陽光を浴びることで深い味わいの黒酢が誕生するようです。

「伝統的な製法を守りながら、この地だけの黒酢造りを行なっています。その背景には、霧島市福山の気候風土の良さに感謝する気持ちが強いです。短時間で造る技術もありますが、あえてここでしかできない黒酢造りにこだわっています」(担当者)

「坂元醸造」の黒酢は、酸味だけでなく甘味もあり奥深い味わいでした。