はじめに

緊急事態宣言の効果もあってか、東京や日本全体の新型コロナウイルス感染者数はようやく減少傾向となっています。まだまだ油断はできませんが、まもなくワクチン接種が始まり、私たちは一歩ずつ新型コロナ克服の道を歩んでいます。

こうしたなか日経平均は2月9日時点で2万9,505円と、3万円到達が目前に迫っています。バブル崩壊後失われた20年とも30年とも言われた日本経済ですが、株価という側面ではようやく暗いトンネルから抜け出そうとしています。


決算好調な企業が続々

株価上昇の背景には新型コロナ克服の道筋が見えてきたことに加えて、日本企業の決算が堅調なことも背景にあるとみられます。

例えばソニー(6758)は、今期の純利益が初めて1兆円を超える見通しです。巣ごもり需要によりプレイステーションなどのゲーム事業が大変好調なこと、また東宝と共同配給したアニメ映画「鬼滅の刃」が大ヒットしたことなどが利益を押しあげています。

テレビやパソコンなど「家電のソニー」の姿はもはやなく、エンターテイメントやイメージセンサーなどで稼ぐ会社となりました。

また、任天堂(7974)も絶好調です。ソニーと同じく巣ごもり需要により、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」や専用ソフトの「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットし、今期の純利益が4,000億円と史上最高益になる見込みだと発表しました。

これらの企業の好調はメディアでも大きく報じられていましたので、ご存じの方も多いと思います。しかし、業績が好調な企業はこの2社だけではありません。その他にもコロナ禍でも最高益更新が見込まれる企業をいくつかご紹介します。

まず、佐川急便を運営するSGホールディングス(9143)です。新型コロナの感染が拡大し始めた2020年1~3月期から直近の10~12月期まで4四半期連続で増収増益を達成しており、10~12月期は四半期として最高の売上及び純利益を達成しました。

テレワークの広がりやeコマース市場の拡大が大きな追い風となり、今期の純利益予想は前期比2倍近い705億円です。

続いて日清食品ホールディングス(2897)です。足元まで6四半期連続で増収増益で、今期の純利益予想は375億円と最高を見込んでいます。カップラーメンや冷凍食品等の国内事業が堅調なほか、成長の柱と位置付ける中国での販売も非常に好調です。

最後はワークマン(7564)です。もともと作業用品専門店でしたが、近年は「ワークマンプラス」という店舗でカジュアルファッションにも進出し、低価格で高機能な衣料品等が大変な人気を集めています。今期の純利益予想は155億円です。

ワークマンのすごいところは、絶好調な売上のほとんどが実店舗から上がっているところです。例えばZOZO(3092)なども業績は絶好調ですが、それはコロナ禍でEC市場が拡大していることの恩恵を大きく受けているためです。しかしワークマンのEC比率はわずか10%未満です。実店舗の販売比率が高い多くのアパレル企業の業績が非常に落ち込むなか、実店舗での売上を伸ばし続けているワークマンの商品がいかに魅力的かということでしょう。

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